テンポ良く軽めの文量に詰め込まれた壮大な物語です

決して軽い文調ではないのに、さらさらっと読めてしまうところに作者様の文章力の高さを感じます。他の方も言及されていらっしゃるように、隅々まで細密に描写するというより、読者側が想像を膨らませる余韻を残して描かれています。
正直長編大作になってもおかしくないような深い背景や綿密な設定がされていて、一見何のつながりも見えなかった3人のストーリーがつながっていく様は、目の前が大きく開けるような感覚でした。
全てが救われるハッピーエンドではありませんが、少しの悲しさと映画の最後のようなラストシーンがとても美しく印象的でした。