【簡単なあらすじ】
ジャンル:現代ファンタジー
未完の物語は時々暴走する。それは一般人には知らされていない真実。それを食い止めるため架空の公務員、『物語終了課』の人々が活躍する物語。主人公は仕事以外にもいろんな難題に直面していく。
【物語の始まりは】
物語終了課がどんなところでどんな仕事をしており、どんなタブーとルールがあるのかが明かされるところから始まっていく。
【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】
簡単に説明すると、未完の作品を強制終了させる仕事が物語終了課。
しかしそれにはルールが存在する。例えば昔話によくある”めでたしめでたし”で終わらせてはいけないなど。
仕事が山積みなのだろう、10ページ以内に終わらせているものがほとんどで、主人公曰く”物語が好きな人はこの課に向かない”ようである。その理由は作中にて。納得の理由である。
ポメラとは……キングジムが製造販売するデジタルメモのことらしい。商標登録されている。この課では4つのアイテムを常時携帯して置かねばならないようだが、その内容が変わっている。
未完作品は時々暴走する。
クラムボンとはなにか? 宮沢賢治の短編童話「やまなし」に登場するもの。何を指すのかは判然としない。(Wikipedia調べ)
【主人公と登場人物について】
物語終了課は架空の課であり公務員のようである。
主人公は文部科学省の下、地方文化局の物語終了課の係長。
物語を強制終了させるお仕事をしているが、人情味があり優しい人でもある。
【物語について】
主人公の所属する課に新人が入り、彼女に仕事を教えるところから展開されていく。彼女は物語が好きらしく、事前にこの課についていろいろ下調べ済みのようだ。だが恐らく、彼女の知らないことは存在する。
主人公が新人への説明の最中に問題が発生。その理由こそがこの課の存在意義であり仕事内容の一つでもあるようだ。つまり何故、未完の物語を終了させる必要があるのか? ということ。
一話での面白いところは、プロットの立て方をミスすると自分の首を絞めるということが改めて学べるところである。コメディではあるが、創作をしている人たちにとっては共感を得ることも多いだろうし、教訓にもなるのではないだろうか? ラストに悩むという人は数多くいると思う。それこそ、何処までいっても終われない、気づけば100万文字。このままでは200万文字も行きそうなど。終れない理由、終わらせるためにはどうするべきだったのか? を学ぶこともできるコメディだなと感じた。その上、かなりの知識がないと書けない物語でもある。全体に笑いながら創作について学べる作品。
【良い点(箇条書き)】
・設定が細かく、縛りがあるのが面白い。
・コメントを見ていると、みんなで頭を使うという方向に行っているのが面白いと感じる。作品を読んでアイデアが湧くというのは、正に物語を書こうとする原点。通常物語というと読者向けだが、作家向けでもあるというのは珍しいと感じた。
・物語の主人公と話すということは、なかなかないと思う。物語の中に入るとはどういうことなのか? が体験できる作品だ。
・創作論も学べる物語である。
・主人公の思考を辿り、一緒になって思案に耽る物語というのは、ミステリーではよく見かけるがコメディを含む物語では珍しいと感じた。
・物語自体の設定が活かされているので、無茶な終わり方ができないというのも面白いと感じた。
【備考(補足)】9話まで拝読
【見どころ】
この物語は、一見物語を終わらせる側主体に感じられるが、とても奥が深く”物語の主人公にとっての幸せとは何か?”を考えさせられる物語である。それはきっと、本当の意味でのハッピーエンドなのだろう。物語とは設定や人物の背景、世界観などによって作者が任意で考えているのとは別に、ナチュラルな人生というのが存在すると思う。
例えば、異世界転移した人物が、そこに居たいのか? それとも戻りたいのか? 性格や境遇によって違うなど。作者というのは、自分の作り上げたシナリオ通りに物語を進めていく。しかしもし、登場人物に自分の意志があったなら、その意思を無視している物語も存在するはずだ。それはすなわち、設定に対して不自然な物語ということ。
物語においてのリアリティとは、舞台や設定に対して作られるものである。違和感が生じたら、不自然さがあるということ。そんなことを改めて考えさせられる作品でもあるし、物語を紡ぐということに責任を持たなければならないということにも改めて気づかされる。笑い、面白さ、感動、驚き、閃き、そして学びの詰まった物語という印象。
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。
『この物語は未完のままである……』
昔そうやって楽しみに読んでいた物語の結末が知れなかった時、どれほど嘆き悲しんだだろうか。
そんな、誰もが一度はきっと経験した事がある(かもしれない)出来事。
エタった物語が時に暴走し、人を飲み込む世界で、それを解決するべく日々立ち回る公務員。その名も物語終了課。
この発想でこんな話が書けるのか!とまずは作者様のセンスに脱帽です。
物語を書く人にも、好きな物語がある読書好きにも、時には映画や漫画、ゲームのネタまで。ひたすら笑えるネタがてんこ盛りに盛られています。
そしてキャラクターも魅力的。
主人公なのに振り回されがちな本間続さんには、毎度毎度「お疲れ様です!」とエールを送りたくなります。
物語の終わらせ方の種類や、それに伴ったルールもなるほどぉと肯きたくなる傑作。
さぁ、是非あなたも物語終了課を読んでみよう。
だって、あなたの人生の物語はまだ終わってないのだから……
物語終了課。
それは終わりを知らない物語を終わらせるために存在する国の機関である……!
未完の物語は時折暴走し、人をその中に巻き込んでしまう事があり大変危険なのだが、それは一般人には秘められていて、彼らは人知れず対処する未完物語対応のエキスパート(公務員)なのだ!
広げられた大風呂敷を畳むのはプロもアマも大変で、人と違った物語を書こうなんて肩ひじを張ってスタートしたらさぁ大変。テンプレを避けての物語終了の難易度はかなり高い。結果、世の中には終わってない物語が溢れ、その対処が本間達、物語終了課の仕事となる。公務員として頑張って国民のために働いてくれているのだが、どういう訳か主人公の本間は毎回可哀相な目に遭うというか、遭わされてているというか。
基本的に周囲が総ボケ、本間がたった一人のツッコミ役といった感じで、うっかり本間がボケモードに入ってしまった場合は、彼の親友である都道がツッコミ役として立つという感じでバランスが取れたドタバタコメディ。要所要所で笑いのツボを連打してくるエピソードがぶち込まれ、抱腹絶倒待ったなし。
ずっとこのまま、働く彼らの毎日を眺めていたくなるという。
何が言いたいかというと、この物語を永遠に楽しみたいので、このまま連載を続けて未完であって欲しい。そう願ってしまう作品なのです!
さぁ皆さんも御唱和ください、「未完であれ!」と。
カクヨムに作品を投稿している書き手の皆さん、エタりそうな作品はありませんか?
もし今の作品が未完結で終わりそうなら、文部科学省 物語終了課へ今すぐご連絡ください。でないとその物語、暴走しますよ──?
設定の秀逸さに唸らせる本作品。
作者に終わらせてもらえなかった未完作品は時に暴走し、人を呑み込む。物語の暴走を止める為に、文部科学省 物語終了課に勤める本間続(ほんまつづく)は今日も奔走します。
物語の暴走を止めるには、物語の続きを書いて終了させる必要があるのですが、物語終了課には、今日もありとあらゆる設定を詰め込みすぎて完結できなくなった作品がやってきます。国と作者に挟まれ、未完の物語は部署間を(押し付け合いという名の)たらい回し。公務員ならではの苦悩とストレスがなんともリアルで思わず笑ってしまいます。
そして本作の魅力が、あるあると思わず頷いてしまう小ネタのオンパレード。
未完作品の種類も様々で、昨今流行りの異世界転生からミステリー、ホラーにVRMMOと色々な種類の物語を終了させるのですが、あるあるが多すぎて爆笑しながら読んでしまうこと間違いなし。ミステリーでは死亡フラグを立てまくるし、ゾンビ映画では昨今流行りの走るゾンビを取り入れるし、他にも地の文や会話文でサクッと舞姫や蜘蛛の糸のネタを入れてくるなど、今まで数多くの物語に触れてきた人程笑える内容となっております。
沢山本を読んできた人程、そして作家として作品を書いてきた人程、面白くて何回も頷いてしまう作品ですので、騙されたと思ってまず1話読んでみてください。
あっという間に物語終了課の虜になりますよ。
──ところで本間さん、あちらで鈴が鳴っていますよ?
小説や漫画・ドラマなんかでよく見る展開。
主人公のピンチ!!
さあ、この後どうなるんだ!?
“ この連載小説は未完結のまま半年以上の間、更新されていません。”
ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ!?
そんな経験が貴方にもあるだろう?
これはそんな物語にケリをつけてくれる、とある役所のとある課のお話。
ケリをつけてくれると言っても、そこはお役所の役人仕事な訳で。
物語中に特に明記されてないからといってミステリーの犯人を幽霊にしたり、夢オチにしたりとやりたい放題。
かと思ったらそんな便利過ぎる手法には大臣の許可が必要だったりと、結構ままならなかったり。
で、なぜ彼等はここまで躍起になって物語の終了を肩代わりしてまで行うのか?
うん、良い質問だ。
……貴方はこんな都市伝説を聞いた事は無いかい?
未完のまま放置された物語のキャラクターが、その事を恨んで化けて出てくるって話さ。
なんだよ、本当な訳無いだろ。
でもその都市伝説と関係があるってもっぱらの噂なんだよな。
ハハハ、ごめんごめん。
思わせぶりなセリフを言っちゃったね。
でも本当、世の中には何の為にあるのかよく分からない課があるよね。
まぁそんなわけで、今日はお話を聞いてくれてありがとう。
気を付けて帰りなよ。
ふぅ、未完の物語のキャラクターが化けて出る、か。
馬鹿馬鹿しい、そんな訳ないだろう。
何故なら本当は──。
おっとこれ以上はいけない。
……でもどうしてもというなら、覗いてみるといいさ。
後戻り出来なくなっても良いなら、ね。
内容については他の方のレビューで十分に紹介されているので省きます。
自分が言いたいのは何と言っても、「この作品は物書きなら読んでおくべきだ!」ということです。
文章も上手く、笑いのセンスも光っているのですが、本作を読んで一番心に刺さったのは創作物に対する心構えです。
『心に刺さった』は「感動した」という意味でもあり、「ダメージを負った」という意味でもあります。
小説を書き始めたはいいものの、未完のまま放置したり、終わらせたくなって雑に締めくくったり……。
そんな自分に『戒め』となって刺さりました。
物語はちゃんと書き終えてあげよう。
改めてそう思いました。
自分は怒りを糧に物語を創作してきた。物語創作を包む現状も、社会も、自分さえも呪い、否定し、話を書いてきた。
だから、この『物語終了課』を見始めた時、新人の物語に対するあまりの仕打ちに思わず『物語側』の立場に立ってキレてしまった。
ところがどっこい!
主人公の物語に対する真摯な姿勢に怒りは霧散してしまった。
ぼやきながらも物語の登場人物含めて物語に対して非情になれないところなど。
なんか、こう、物語世界を見守る優しいまなざしを感じるのだ。
きっと作者さんは全てを『肯定』して物語を紡いでいるのだと思う。
全てを『否定』し怒りに任せて書き殴った自分と違って。ほんと、対極だと思う。
あぁ、すっかりココロが『浄化』されてしまったよ。
自分の再創作に向けてリハビリが必要だわ(゜▽゜*)
ご家庭にエタった物語はありませんか? 「それ」は、あなたに見捨てられ、忘れ去られた後、どうなるのでしょうか。
主人公・本間 続は、見捨てられ忘れ去られた物語の暴走を防ぎ、また、起こってしまった「物語の暴走」を終わらせる、その名も「物語終了課」に勤務する公務員です。世間一般には知られていませんが、終了させられなかった物語は暴走し、その物語世界に現実の人々を飲み込むのです。物語世界とは言え、その中で死ねば現実でも死ぬし、物語世界に飲み込まれて帰ってこなくなった人もいます。それを解決するために物語終了課はあるのです。
ウェブ小説の在り方を逆手に取った優れた世界観、現在の流行を巧みに取り入れた物語、主人公の本間続を取り巻く魅力ある人々、「もっと読みたい! 永久に読んでいたい!」と、この物語と矛盾した願いを持ってしまいます。
ところで、さっきから鈴の音が聞こえてきませんか? それは……。
この物語は主人公、本間 続の受難(お仕事)がメインのストーリーです。
一つ一つの章がコンパクトで、かなりハイテンポで物語が進むこの作品はサクサクと読むことが出来るのですが。。。
このお話を通勤や通学などの片手間に、人前で読むことはオススメしません。
何故ならこの作品は、随所に吹き出しポイントが!まるで対読者地雷の如く、バラ撒かれているからデス!!!
そうです、かく言うこの私も被害者デス。。。職場の昼休み、シン。。。としていた最中に地雷に吹き飛ばされ、プフッ!な私へと向けられた、同僚達の白い目。今思い出しても。。。w
てな訳で、アナタもこの地雷(笑い)を避けきる自信がおありなら、一踏みいかがデス???w
架空の公務員職「物語終了課」で働く三十路の係長が、作者が未完で投げた作品の結末に頭を悩ませたり、暴走した物語に飲み込まれたり、現実の個性的な人間関係に振り回されたりする、メタフィクション風味のお仕事ドラマです。
終了できなかった物語はまれに暴走し、周囲を飲み込んでしまう……という設定の元で、未完結の物語に結末をつける公務員の奮闘がコミカルかつ文学ネタたっぷりに描かれてゆきます。近代から現代の有名作家や作品にまつわる小ネタとか、小説を書く読むする時のあるあるネタなど、作者様の引き出しの広さが物語に味わいを添えていて、飽きさせません。
主人公の本間氏はとてもお人好しで苦労性でちょっと不運スキル持ちですが、自己主張の強い新人や暴走災害的な友人、強引な女子高生……などに振り回されながら頑張る姿は、微笑ましいです。
各章ごとに物語が纏められた短編連作風の長編なので、サクサクと読めますし、完結していますので安心です。
ぜひご一読ください。
物語終了課とは、作者の都合によって「終わらなかった」物語を、終わらせる課である。しかも、終わらせる方法にも法律があり、そこがまた物語終了課に所属する人たちの胃を痛めさせ、頭を締め付けていた。
それでも、終わらせないといけない。なぜなら、未完の作品は「危険」だから。そうそう、夢オチもアレだからね。
まず、本間さんのキャラが良い!
仕事に疲れた様子から、ちょっとお茶目(?)なやりとりまで、人間らしさが全面に出ていて共感度が高いです。
定時?そんなのないですって!
本間さん!今日は、最近良く見る「異世界転生」ですよ!お手伝いさせていただきます!!(笑)
あ、ストーカーに関しては頑張ってください(笑)
それに、サブタイも良いです。クスッと笑えるものばかり。しかも、「あるある」と首を縦に振ってしまうものが多く、「あー、これ私やったわ」と、物書きなら申し訳なくなるレベルのものが多数あります。
読み進めた感想
物語終了課で働いてみたいな!→あ、ごめん。これ、私やったことあるわ。残業めんご!→働いてみたいとか言ってごめんなさい、無理です……→あー、ごめんなさい。B級大好きです→うん、やっぱり本間さんたちと働きたい!都道さんかっけぇ!!
結論:物語終了課で働きたい!
みなさんにおすすめしたいですが、まずは物書きのみなさん!1度読んでみてください!!