エピローグ5-6 みはるとなつめ

 「みはるん、ゴールデンウィークはどうすんの?」


 「んー、なつめさんと一緒に実家帰るかなあ、まみさんは?」


 「私?私はそうだなー、ノープランかな。自転車で適当な島まで旅とかしようかな」


 「いかにも大学生って感じねえ、陰のものにはまぶしすぎる予定だわ」


 「そういうかのんは?」


 「私は推しを追うのにいそがしいので」


 「ストーカーは捕まるからやめとけよー」


 「ストーカーじゃないわ。それに私はあの二人の関係性を見るのが楽しいのであってーーーーー」


 「あ、私サークルに顔出してくるよ」


 「うい、そんじゃまたゴールデンウィークあけにねー」


 「気をつけてー」


 「うん、二人ともまたねー」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「おっつかれさまでーす。あれ、さやさん、ますだーせんぱい知りません?」


 「ん?ますだーならみはちゃんにノート渡しといてっていって帰っちゃったよ?」


 「うーむ、相変わらず出現頻度少ないですね、あの人」


 「まあ、安定してくるのなんて私ら四人くらいのもんだからね。コンクール前とか特にみんな詰めるし」


 「そういえばモリさんとザキさんは?」


 「モリは購買におやつ買いに行ったよ。ザキは・・・そろそろ来るんじゃないかな」


 「・・・来ました」


 「あ、ザキさんお疲れ様です。あれ、モリさんもいる」


 「お、みはちゃんお疲れ、ちょうどそこで会ってな。ところで唐突なんだが、ロシアンルーレットしないか?」


 「え?本当に唐突になに?」


 「懐かしい・・・駄菓子のガムじゃないですか」


 「そ、3っつの内1つがめちゃくちゃ酸っぱいていうあれだよ、子どもの頃よくやったの思い出してさ」


 「ふーん、でも一人余るじゃん」


 「それなんだよなあ、じゃんけんで決めるか」


 「むむむ、楽しそうだけれど・・・・」


 「どした?用事あるの?」


 「いや、なつめさんと買い物に行って明日の準備をする約束が・・・」


 「・・・行った方がいい」


 「ですよねえ、・・・・行ってきます。あ、誰が負けたか教えてくださいね。お疲れ様でーす!」


 「おう、お疲れ。後で録画してグループに上げとくよ」


 「お疲れ・・・」 


 「お疲れ、みはちゃん。え?これ記録のこんの?抜けたいんだけれど」


 「だめだ、部長命令で強制参加」


 「部長命令如きが副部長に通ると本気で思ってんの?」


 「いや、もうザキが配り始めたから遅い」


 「え、配られるやつ?せめて、選ばせてよ!」


 「俺、これにします」


 「カメラ準備できたかー?」


 「大丈夫です・・・」


 「はあ・・・、私じゃありませんよーに」


 「そんな警戒することねーだろ」


 「無理よ。あんたとザキが、先輩の送別会でコラ動画でさんざんやったの知ってるんだから」


 「あー、あれ楽しかったなあ」


 「AVと先輩の顔合成したやつは、後でめちゃくちゃ怒られましたけど」


 「ははは、あれは深夜に作ったのが間違いだったな」


 「それにしても、みはちゃん、居ついてくれてよかったねえ。最初、絵が描けなくて泣きそうになってた時はダメかなあって思ったけど」


 「あれはザキのファインプレイだったなあ。今年の新歓MVPはお前だよ」


 「俺は・・・・モリさんの真似しただけですよ」


 「したっけ・・・?そんなこと」


 「あー。してた、してた。ザキが絵が描けなくて、端っこで折り紙し始めたら、それ見つけて無理矢理これはなんだ、何を作ってるんだって聞いて勝手に作品扱いしてた」


 「そ、そっか。全然覚えてねえ」


 「やった側は・・・案外、覚えてないもんですね」


 「ま、それでも今年それやったのは間違いなくお前だよ。そういや最近、あの子絵描けてるのか?」


 「うん。色々、試しながらだけどね。油とか水彩とか教えてるけど、やっぱりペンが一番しっくり来てるっぽい。描く絵もメッセージ性強くて、私は結構好きだよ」


 「そっか、後進が着々と育ってる。いいねえ」


 「ところで、ガムの外れ引いたの誰よ。私じゃないんだけど」


 「え、俺じゃねえ」


 「あ・・・俺です」


 「「反応示せえ!!」」


 ----------------


 「みはるー、準備できた?」


 「はい、ばっちりです!!」


 「よし。じゃ、いこっか」


 「はい!!あ、その前になつめさん、カモンです」


 「ん?どうしたの?」


 「むぎゅっと」


 「んー?」


 「向こう行ったらいちゃいちゃできないじゃないですかあ、だから今のうちにいちゃいちゃしとかないと」


 「ん、わかった」


 「ふふふにゃ、ダメです。耳に息吐くの禁止です」


 「えー、かわいいからやだー」


 「なつめさん・・・最近、わがままが板についてきましたね?」


 「んー、嫌だった?」


 「全然、嫌じゃないです!しかし、人にわがままいうということは自分もわがまま言われるということなのです!」


 「うん?うん。ふ・・・・・ふひゃゃ」


 「・・・脇が弱点ということを発見した自分が恐ろしい・・・」


 「・・・・っは・・・・っっはぁ、これなんか弱点と違くない?」


 「・・・・えっちのときもこれくらいよがってくれたらいいんですけど」


 「え、だってみはるが感じてる顔かわいいし、つい攻め側に回っちゃって」


 「私だってなつめさんの感じてる顔見たい!!」


 「ははは、ごめんごめん。じゃあ、今度するときは役割交代ね?」


 「はい!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「ねえ、みはる」


 「はい、なんでしょう?」


 「好きだよ」


 「はい、私も大好きです!」


 「愛してる」


 「はい!!私も愛してます!!」


 「ねえ、みはる」


 「はい、なんでしょう?」


 「向こう着いたら、なにしよっか」


 「実は私、したいことがあるんです!!」


 「そうなの?実は私も」


 「じゃあ・・・」


 「はい!二人で考えましょう!そして、一緒にしましょうね!」


 「うん、私がやりたいことはねーーーーー」



 おわり。

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OLと家出少女 キノハタ @kinohata

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