聖女ヤバイ

まず主人公が良い。
この手の話に有りがちな純粋な良い子ちゃん主人公ではなく、矢鱈と強キャラというわけでもなく、良いところもわるいところも併せ持つ私たち普通の人間と同じだと云うことが一人称視点の心の声からうかがえ、その分生きたキャラになっている。
無理にキャラ付けしようとしすぎて作者の人形遊びと化した作品を読んだ後だと特にそう思う。

しかしこの作品の本当の価値は聖女アマルダに有るのではないだろうか?
悪意に凝り固まった悪役など可愛いものだと思わせる危険物、それがこいつ。
話が通じない上に、明瞭な悪意も無く善意らしき何かと被害者意識で男共を味方に引き入れる。
お陰で下手な反撃や反論は立場を悪くするだけで主人公に被害を及ぼす。
絶対に係わりたくないと思わせるヤバさは一見の価値あり。

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