その音は心に響くもの

多忙な中でもお洒落で切れ味の鋭いオフィスラブを描いた純恋愛小説です。
急な残業を命じられ後輩の男性と夜のオフィスで二人きり。先日、遠距離恋愛が破綻したことを知っている後輩はふと仕事の手を休めると、アラサーOLの私に口火を切りました。

「先輩、夕日が海に沈むときの音、聞いたことあります?」

文学的でセンスあふれるこの台詞は、たちどころに貴方を魅了し「遠い異郷の地の海」へと誘うことでしょう。
彼は、狭い日本の外を知っているからこそ、豊かな人生とはどんな物かを語れるのです。それは断じて職場と家を往復するだけの単純作業ではないのです。

勿論、太陽は海水に沈んだりしません。
しかし生涯に一度きりの絶景が眼に焼き付いた時、脳に記憶されるのは果たして景色だけでしょうか? 五感を駆使して感じ取ったその場にあるもの全て、いやそれ以上の何かを脳は刻み込むのではないでしょうか?

私も未だに「ポケットの缶コーヒー」の温もりを記憶しています。
コロナの自粛生活に疲れた貴方へ。
人生に深い感動を刻む、旅行の疑似体験をしてみませんか?

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