LAY YOUR HANDS ON ME

父親が自分の子供に向ける愛情って、子からは分かりにくいものだったりするんですよね。父親だって、自分が我が子に注いだ愛情が子に伝わればいいとふんわり願う訳ですが、「オレがこれだけキミを愛したことを、キミには知っておいて欲しい」みたいな思いはそれほど強くなく、「それよりも、ただ、キミの幸せを願う。オレは必ずキミよりも早く死ぬ。だから、キミが両親の手助けを必要としないくらいに逞しく生きられるようになる事、そして、自分の手で幸せをつかみ取ってくれる事を心から祈る」みたいな思いの方が強いんですよね。

母親の愛は大きいし、それは子に伝わりやすい。母親も我が子の幸せを願って止まないし、それを子が知らないままに生きるなんて事はあんまりない。母性は偉大だし、いつだって母親は我が子の幸せを思っている。でも、父親の愛だって子に伝わりにくいだけで、ちゃんとあるんだという事が読み解ける良い作品です。是非ご一読頂きたいです。