まるでドラマを見ているかのように

川系企画参加の小説は文章力の水準が高く、いつも勉強になるなと思いながら読んでいます。その中でも、この作品は特に素晴らしく感じたので感想を書かせていただきます。私が思うこの作品の良いところは、文章の立体感です。私は小説を読むときに、頭の中に映像が浮かぶタイプの人間なのですが、これを読んだときにはめっちゃ高画質でしたね。口語体調の地の文、人物の何気ない動作、着信音までが私たちが普段経験するようなリアルさを持っていることが要因でしょうか。これが言葉にならない一般感を生み出しているように思います。あと、個人的にうまいと感じたのが行間の取り方です。文脈的な言葉のまとまりを意識して、より自然に読者が没入できるような配慮が心地よいほどきれいに整頓されていました。これを素でなさっているのなら才能ですが、心がけていらっしゃるのであれば結構な手間をかけられていることと思います。そういった細かい工夫はぜひ見習わせていただきたいものです。

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