伏線の掛け方がすごい!

 SFであり、ミステリーであり、の読み応え十分なストーリーで最後まで楽しみました。
 一度読み切った後、ぼくは答え合わせもかねて二週目をしました。一読目にも思いましたが、読みかえすと所々に張られた伏線が見事に絡まり合って巧妙にラストの「答え合わせ」に繋がっていると、改めて感じられてただただ感動です。(アンドロイド、安藤、アンドゥ―……すごい!)
 安藤とツバメの掛け合いも面白かったし(にやにやした)、唐突なバトルも面白かったです(びっくりした)。それに巻き込まれておろおろする紫陽がとにかく可愛い(にやにやした。2回目)。しかも、紫陽、もしかしたらそれ、ファーストキスだったんじゃ……! なんて思うと今後のツバメとの関係がどうなっていくのかも「うふふ」な気分になります。(そしてまたツバメが猫型ロボットにからかわれる……笑)

 面白かったです!!

 気になる点としては、些末な部分ではあるのですが、父親の存在でしょうか。遺産の件のみならず父親が上の二人から冷遇されているような気がしなくもなく、それがなんでなんだろう、というのがもやっとしてしまったのと、「両親の離婚(?)で祖母宅に身を寄せる」「祖母の死で祖母宅から出ていく」にお父さん、甲斐性あるの? ないの? がもやっとなりました。(金銭的に余裕があったらそもそも出戻らないのではと)
 母親のことも、もやっとです。紫陽花を植えて大切にして、「お母さんからのプレゼント」と祖母が言えるくらいなら、離婚(?)にも理由がありそうに感じるのですが……。(まさか死別??)
 そして祖母の手紙。安藤は人間じゃないんだな、は、実は序盤からわかったんですけど、手紙に関しては「安藤は読んだ?」「いいえ。存じません」から「人となりはご自分で確認するようにと、先入観は持たせるなと “言われております” 」と会話が続いたので、安藤は読んでいて(つまり、手紙には大したことが書かれていないことを知っていて)紫陽から質問が飛んでくる前提で答えを用意していたんだなと思わせてしまうのが(だから手紙の最後の意味も分かっているんでしょと邪推してしまう→所有権か処分の件なんだなと思ってしまった)、作者的に予定通りなのか、どうか……。