マリーゴールドの花言葉。

 有名画家が、絵を描かなくなった。それを知った美大の同級生の主人公は、同級生名簿を取り出して、画家に電話をかける。主人公は、密かに画家に思いを寄せていたのだ。しかし、画家は大学時代から絵のモデルをしていた美女と結婚していた。
 電話に出たのは、画家本人だった。画家は四年前に両親を亡くし、あることがきっかけで、妻と別れていた。そのあることとは、妻が旅行に行っている際に、画家のもとを訪ねてきた美しい少女を、絵のモデルとしたことだった。モデルを務めていた妻はこの少女に嫉妬し、夫に激昂し、家を出て行ったと言うのだ。
 そして画家が亡くなり、美術展で画家の遺作が発表された。そこにはマリーゴールドの花と、一人の少女が描かれていた。その会場で、主人公はある男から、画家が残したと言う手紙を受け取る。そこには、遺作となった絵の秘密が書かれており、主人公はマリーゴールドの花言葉を思い出す。
 しかし、この男を雇っていたのは、実は画家の元妻だった。

 果たして、遺作のモデルになった美少女は誰だったのか?
 そして、男は何故元妻に雇われ、何をしたのか?
 
 一人の天才画家を巡って、苛烈で強かな女性たちの感情の物語が今、幕を開ける。この愛と嫉妬がマリーゴールドの花を咲かせ、マリーゴールドの起源神話にまで達する時、名状しがたい余韻に浸ることになる。

 最後には謎解き要素があり、人間の業の深さを感じさせられます。

 是非、ご一読ください。

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