結局、女性が泣きをみる。殿方はもう少し考えていただきたい👶

 ある閉鎖的な田舎の町で生まれ育った主人公と幼馴染。
 幼稚園も小学校も1クラスで、学年を超えて同じ教室で授業を受けていた。
 中学は少し離れたところ、いきなり大勢の集団生活に溶け込めなかった主人公は、いつも寄り添ってくれた幼馴染に依存するようになる。
 高校に進学後、ふたりの間に事件が起こる。男女の仲になったふたり。主人公は身籠ってしまったのだ。
 『責任を取る』という幼馴染の声に耳を塞ぎ、主人公は堕胎した。

 という過去のある主人公の元へ、その幼馴染が訪ねてきた。
 およそ10年の歳月が経過していた。

 ゆあん様の自主企画、『筆致は物語を超えるか』の第4弾、『雪を溶く熱』への参加作品です。
 あらかじめ用意されたプロットに沿って物語を作っていくというもの。
 作者様は重いテーマを選ばれました。
 近年は高校生どころか、中学生、更には小学生が妊娠なんてケースもあるようで。いやはや。
 本作の主人公は高校生で、産むという選択肢も十分あり得たとは思いますが、堕胎されました。
 葛藤した上での結論だったのか? それとも周囲の大人たちに言われるままに、そこに辿り着いたのか?
 ただ、いずれにせよ、心身ともに傷付いたのは女性である主人公でした。
 相手の幼馴染とは、その後10年間何事もなかったようです。
 『責任を取る』って、口先だけだったのね?
 高校生時代は周囲が引き離しただろうし、幼馴染は関東の大学に進学したから、接触を図るのは難しかったのだろうけれど。
 けれども幼馴染は大学卒業後、地元に戻ってきて就職してますからね。それから数年……。
 この幼馴染くんが、わざわざ閉鎖的な田舎に戻ってきて就職したのは、主人公のことがあってのことでしょう。
 でも何故この数年間、連絡を取ろうとしなかったのか?
 ぶっちゃけ、物語のタイミングでやってきた幼馴染くんは、『高校の卒業式で、進路がわかれる異性に告白する』的なノリを感じます。
 作中では、主人公の内面は簡潔に書かれているにすぎず、詳細は不明ですが。

 性的なことに関していえば、ほとんどのケースでは女性の側が泣きをみるということ。
 殿方諸君! せめて避妊くらいはちゃんとしなさ〜いっ💢

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