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概要
私は酔っ払って綱渡りのロープから落ちたピエロである。幸い命はあったが脳出血で大脳をやられて脳障害が残った。リハビリで歩行と思考はできるようになったが社会からキャストアウトされて漫然と日を過ごしている。隣人とはせいぜい挨拶ぐらいで立ち止まって話すことはない、話題が全くないのだ。TVのニュースを妻と話題にしても双方が不快になるのでなるだけ避けるようにしている。妻から面白くない人間と罵られても反論せずに無視している。嫌でも見せられるTVニュースとコメンテータの雑談は不毛社会の断面を見るようで不快な朝である。活気のない日々に喜びを見出せず惰性で生きている。大學生の頃に自殺を考えたことは幾度かあったが行動に移せなかった。私は死を怖いとは思わない。なぜなら子供の頃の水難事故と赤痢それに今回の心筋梗塞で意
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