概要
叩き上げで、何が悪い!
「待たれー、そこの者、どこへ行く。ここは大坂城なるぞ」
幸村は、にやりと笑って見せた。その口元からは歯が、二本見えた。
入城を止められたのは仕方のないことだった。永年の質素過ぎる衣食と仲間以外と出会うことのないその身なりは、歯が抜け落ち、白髪混じりで腰も曲がり、貫禄や武将の威厳など微塵も感じられない。これでは、門番らに山賊と間違えられても、如何仕方なし。
幸村は、不機嫌な顔で書状を取り出し、門番に渡した。
「真田…幸村…様…これはご無礼致しました。お通り下され」
「難攻不落は大坂城のみならずか…して、如何致そうか」
「私には、幸村の決意を打ち砕く手立ては見当たりませぬ」
「何を弱気な…と言いたい所だが、それが今の有り様か」
「家康様直々のご命令。無下にもできず、ほとほ
幸村は、にやりと笑って見せた。その口元からは歯が、二本見えた。
入城を止められたのは仕方のないことだった。永年の質素過ぎる衣食と仲間以外と出会うことのないその身なりは、歯が抜け落ち、白髪混じりで腰も曲がり、貫禄や武将の威厳など微塵も感じられない。これでは、門番らに山賊と間違えられても、如何仕方なし。
幸村は、不機嫌な顔で書状を取り出し、門番に渡した。
「真田…幸村…様…これはご無礼致しました。お通り下され」
「難攻不落は大坂城のみならずか…して、如何致そうか」
「私には、幸村の決意を打ち砕く手立ては見当たりませぬ」
「何を弱気な…と言いたい所だが、それが今の有り様か」
「家康様直々のご命令。無下にもできず、ほとほ
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