この短さとは思えない、たっぷりとした読後感の物語。

ゆあん様の自主企画『雪を溶く熱』へ参加されている作品です。
企画で規定されたあらすじということを全く感じさせない自然な感情の流れが、読み手の心の中に柔らかく滑り込み、丁寧に積み重なって行きます。
雪の夜に久々に会いにくる幼馴染。自分から離れていく彼への主人公の心の揺れ動き。涙の意味。その全てのシーンに、登場人物たちの感情が溢れるほどに込められています。
繊細な情景の中に細やかに描き出される、幼馴染二人の心のやりとり。この短さとは思えないたっぷりとした読後感の、大変美しい物語です。

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