滝川木工店 〜想い出が生まれ変わる場所〜 

作者 ☆涼月☆

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★★★ Excellent!!!

背景設定が!丁寧です!
登場人物の生い立ちとか心情が、とても。

はじめましての人と出会う時も、まずは外見の印象、ひとことふたこと話した印象から始まり
徐々にその人のことを知っていきますよね。
少しずつ知っていく中で「あぁ、素敵な人だな」と思う。これは恋にも似た思い。

登場人物の、人のことを思いやる心。
作者様の人柄が表れているようです。

★★★ Excellent!!!

職を失い路頭に迷っていた青年・陽人は、ぶっきらぼうだけれど不思議な魅力を持つ一人の男に拾われて、一緒に暮らすことになります。
そこで少しずつわかってくる、滝川という青年の人となり。考え方、生き方。
物を安易に捨てずに、大切に使い続けていく姿。

二人で進めていく日常の一コマ一コマは、どこをとっても穏やかで温かい。
木の温もりと、人との思い出、大切な繋がりをいつまでも大事にし続ける。
今の若者たちには珍しいんじゃないかとさえ思えるようなシーンがあふれています。

彼らと一緒にいれば、私たちも、いつでも優しい気持ちで毎日を過ごせそうです。
忙しい日々に見落としがちな、大切なものを失わないために。
滝川や陽人と一緒に、色んなものに目を向けて見ませんか。
きっと、心穏やかな時間をゆったりと過ごせるはずです。
しばらく会っていなかった誰かに、会いたくなるかもしれませんね。

★★★ Excellent!!!

読むと元気を貰える現代ドラマ。とにかく主人公の周囲が暖かく、まるで彼が光を集めているよう。陰鬱な描写も悲しい描写もあるけれど、それにより物語の光度が上がっているのが綺麗。

構成も分かりやすく、主人公の行動も素直。ハマってほしいところに、きちんとパーツがハマる感覚は癖になりそうです。抜きんでて『コレ!』というものをフィーチャーしているわけではありませんが、等分に分散された魅力が、それぞれにしっかり存在し、胸の奥がむずむずしました。過去より未来を見据えることが大切だと教えてくれる作品。

綺麗な心を思い出すためのアイテムを、皆さんも是非使ってください。

★★★ Excellent!!!

大切な人を亡くした心の深い傷をどう癒していくか。これは心の再生の物語です。

最愛の彼女を失った若者が、今度は彼女が教えてくれた優しさを、より若い男の子に与えられるようになる。絶望の中にいた男の子は彼に救われ、そして男の子を救うことで、心に痛みを抱えていた彼もまた立ち直っていく。

人は人に傷付くけれど、やはり人を助けるものは人を思う優しい気持ち。一つ一つのエピソードが温かくて、読者は自然と物語に自分も溶け込み、登場人物の気持ちに寄り添い共感します。

最後はとても明るいキラキラした光に包まれた終わり方で、作者様のお人柄がにじみでている素敵な物語です。

★★★ Excellent!!!

とても良質なドラマを読ませていただきました。
真っ先に浮ぶのはそんな感想でしょうか。

主人公はもともと天涯孤独の上に、突然職を失ってしまった『陽人(はると)』君。
偶然に彼と出会い、一宿一飯の恩義をかけたのがぶっきらぼうな感じの大工『滝川』さん。
といっても滝川さんもかなり若く、二人は兄弟みたいな感じでしょうか。

この滝川さん、口数も少なく、ちょっととっつきにくいところもあるけれど、きちんと人のことを見て、人の心を思いやれる優しい人。
そんな滝川さんとの生活の中で、陽人君にもようやく心に余裕が生まれ、平穏な日々が訪れます。
序盤のこの二人の心の交流がなんとも穏やかでいいエピソードが連なります。

そして中盤から滝川さんに関わるキャラクター達が次々に登場し、二人の世界をさらに彩っていきます。
同時に滝川さんにまつわる悲しい過去が明らかにされていきます。

助けたはずの陽人君がまたいい人なんです。
つらい過去にも関わらず真面目で、人の気持ちをちゃんと考えられる優しい青年です。
滝川さんは助けたはずの陽人君にやがて助けられていきます。

タイトルにも書いた傷ついた魂の再生。
これがこの物語の大事なテーマだと思うのですが、その表現やエピソードが見事でした。
さらに滝川さんが大工の腕前でいろんな古いモノ、壊れたものを直していくのですが、それがこのテーマと重なり合い、深みのあるストーリーになっているところも素晴らしい。

描かれていくのは淡々とした日常の光景。
それでもそんな光景がだんだんと太陽に照らされて輝いてゆく。
止まっていた時が流れ出し、音や光景がはっきりと照らし出されてゆく。
読みながらそんな感覚が心に浮かびました。

文章も読みやすく、多彩なキャラクターがとにかく魅力的です。
とにかく心が温まるような素晴らしい作品です。
是非読んでみて下さい!

★★★ Excellent!!!

働いていた場所が倒産し、寮を追い出されてしまった主人公、牧瀬陽人。
路頭に迷った彼が倒れ込んでいると、降ってくる一つの声が。
目を開け、飛び込んできたのは、鍛え上げられた筋肉と、鋭い目つき。
え、ヤクザかな。俺死ぬかも、などと頭の中で失礼なことを並べていたのだが、話してみると……

男性との出会いが陽人の人生を変えていく。
彼の手を取り、歩き出した先に広がる景色は、どんな色をしているだろう。

読んでいると、胸の中にポカポカした感情が流れ込みます。作者様が丁寧に物語を綴り、登場人物たちが心を通わせながら歩いているからでしょう。

大人になるにつれて、どこかに置き忘れてしまった何かを、そっと差し出してくれる。そんな優しく温かい物語です。
ぜひ、みなさんもご一読を。