青春、ただし微糖

形容しがたいものを文章にして、読後にはやはり形容しがたいものを残す。
それが小説の醍醐味だと思いますが、これはまさにその醍醐味を味わわせてくれるものでした。

青春ではなかったようにも思えるけれど、一方で確実な青春を感じ。
嘘だらけのものだったようにも思えるけれど、一方で本当であったと感じ。

嬉しい悲しいがきっちり決まり切れない曖昧なものが人間だと思うし、清濁併せ呑み矛盾を孕んで生きるのが人間だと思う。
そういうボヤッとしたグレーなものに、青春の甘酸っぱい爽やかなブルーは合わないように思えるのだけれども、完璧にそろえてきているから凄い。
バランス感覚が取れている人じゃあないと書けないものだと感じました。

あまりにボヤッとしたレビューで申し訳ないのですが、多分私がこのようなレビューを書いているのも、読んだらわかると思います。
是非ご一読ください。