これは、罪の物語であり、そして、優しい物語だ。

本作品の魅力を表すなら、まるで「ドラマ」を見ているようでした。
物語は、私立探偵の乾宗十郎は、とある男から依頼を受ける。
その男は、手紙の差出人を探す。
それも、10年以上前に別れた、彼の元妻についてだった。

その内容は……。
込められた手紙の謎、元妻の罪はあまりに重く、そして……。
夫婦の在り方、過ち、それでも手を伸ばすことはできる。

これは、優しい物語だ。
まるで、本物の出来事のような感覚に陥ってしまうのは心情描写が丁寧に描かれているからです。

おとうさん、ごめんなさい。
素直な言葉であり、受け止める人の度量も試される大きな言葉でした。