3・わたしが側室……?

 ――わたしは混乱していた。陛下とはまだ,ちゃんとした面識はないはずで。そんなわたしが側室として見初められた理由が,まったく分からなかったのだ。

 ……いや,もしかして面識はあったのかしら?その心当たりはなくもないけれど。――まさかアリサが言っていた通り,レオン様が実は陛下だったとか?

「どうしたのです,イライザ?あまり嬉しそうではないようですが」

「いえ……。あまりにも突然のことで,思考がついて行かなくて」

 怪訝けげんそうに眉をひそめられたナタリア様に,わたしは弁解する。

 嬉しくないわけではない……と思う。もしもアリサの言う通りなら,わたしは"レオン"と略称で名乗られた陛下と既に恋に落ちていたことになる。それで陛下がわたしを側室に選んで下さったのなら,わたしは陛下の申し入れをお受けするつもりだ。

 でも,もしもレオン様と陛下が別人だったら……?陛下の申し入れを,城の使用人でしかないわたしがお断りするわけにはいかない。だとすれば,他に想い人がいるうえで陛下に身を任せなければならないということ。

 いとしのレオン様を裏切ってまで,陛下の側室になることが,果たしてわたしの幸せなのかしら……?

「あの……っ,少し……考える時間を頂きたいのですが……」

「それは,私に言うことではないでしょう?陛下に直接お伝えなさい」

「はい……,そうですね。失礼致しました」

 ナタリア様の仰ることはもっともだと思う。彼女はただ,わたしに内定情報を伝えられただけ。彼女に異議を申し立てるのはすじ違いというものだ。

「陛下に面会したいのなら,大臣にお取り次ぎして頂きなさい」

「はい,ありがとうございます」

 ナタリア様から助言を受け,わたしは仕事に取りかかった。

 敬愛する皇后アン様のお部屋。いつもなら何のためらいもなく立ち入ることができるのに,今日は何だか入るのが後ろめたくて仕方がない。

 そういえば,アン様もわたしが側室に内定したことをご存じなのかしら?そしてもしご存じなら,このことをどう思っていらっしゃるのかしら……?

 わたしがアン様のお部屋の前で,いつまでも入室をためらっていると……。

「遅かったじゃない,イライザ。何してるの?入らないの?」

 先に入室していて,仕事の準備をしていたアリサが不思議そうに声をかけてきた。

「……うん,入るわよ。ごめんね,ちょっとナタリア様に引き留められて」

「ナタリア様に?――あっ,もしかして陛下の側室にあんたが内定したって話?」

「アリサ……,知ってたの!?」

 わたしは心底驚いた。あの話が,女官の中のトップであるナタリア様だけではなく,わたしと同じいち女官見習いのアリサの耳にまで入っていたことに。

「ええ,もうお城全体の噂になっているわよ。『陛下のお心を射止いとめた女官見習いとは,どんな娘だろう』って。――既にアン様もご存じのはずよ」

「アン様も?それで,どんなご様子だとか聞いてない?」

 仕事の準備をしながらも,わたしは気もそぞろだった。もしもアン様がこの事実にご立腹りっぷくだったら,わたしはこの先アン様に合わせる顔がない。

「さあ?それは聞いてないけど。そんなに気にすることないわよ。元々,陛下に側室をお迎えするように勧められたのはアン様なんだし。それなら人選にだって異論は仰らないはずよ」

「だといいんだけど……。でもわたしね,このお話,少し考えてからお返事しようと思ってるの」

 わたしはアリサに,ナタリア様と話した内容を伝えた。陛下と面会して,直接お話しできるよう大臣に取り次いで頂くことにした,と。

「どうして?」

「わたし,好きなお方がいるのよ。その人を裏切って,陛下のお子をもうけるなんてできない!」

 首を傾げるアリサに,わたしはそう答える。

 万が一,実際にお会いした陛下とレオン様が別人だった場合,このお話をお断りするつもりでいた。

 たとえそれで,このお城から追い出されることになっても……。

「でも,イライザ。もし陛下とそのお方が同一人物だったら?あんたの言う好きなお方って,あのレオンとかいう人でしょう?」

「え……っ!?ど,どうして分かったの!?」

 わたしは動揺どうようしすぎてやたら挙動きょどう不審ふしんになってしまう。

「あんた,分かりやすすぎるのよ。思ってることがすぐ顔に出るんだから。――それはともかく,よ。昨日も言ったけど,"レオン"って"レオナルド"の略称でしょ?やっぱりあたしが言った通りなのよ,きっと」

「そう……なのかしら」

 もしもそうなら,わたしがこのお話をお断りする理由はなくなるのだけれど……。

「だとしたら,わたしの初恋は陛下,ってことになるのよ。どうしよう?」

「ええっ?いいじゃない!これ以上の良縁りょうえんはないわよ」

 ……うん,きっとそう。女性なら誰しも,一度は夢に見る。国王や皇帝にとつぐというおとぎ話のようなご縁を。

 わたしだって,憧れなかったわけじゃないけれど。いざそれが現実として自分の身にりかかろうとしていると,憧れよりも恐ろしさがまさってしまうものだ。

 そんな大役たいやく,果たしてわたしに務まるのかしら,って……。

「――おはよう,イライザ,アリサ。今日もご苦労さまです」

 そこへ,朝食後のお散歩からアン様が戻ってこられた。

「「アン様,おはようございますっ!」」

 わたしとアリサは慌てて頭を下げる。お城に上がった時に教わった「最敬礼」というやつだ。

「さあさあ,二人とも頭を上げて。仕事にお戻りなさい」

 わたし達が毎朝こんな調子なので,アン様ももう慣れたものだ。

「あの……,アン様?アン様もご存じなのですか?わたしが……陛下の側室に内定していることを……」

 そう訊ねながら,わたしはアン様の表情をうかがう。もしも陛下お一人がお決めになったことなら,アン様の表情は曇られるはず。何もお変わりにならなかったら,アン様もご存じということ。

 ……さて,どちらなのかしら?

「ええ,わたくしも知っていました。あなたをご指名なさったのは陛下ですが,わたくしもそれに同意したのです」

 アン様は朗らかなお顔を崩されずにそうお答えになった。

「そう……でございましたか」

 アン様がこのことにお怒りになっているのなら,わたしはそれを口実こうじつにお断りしようと思っていた。けれど,それもできなくなってしまった。

「どうしたのです,イライザ?あまり気が進まないようですが」

「はい……。あの,アン様。陛下はわたしのことをいつお見初めになったのでしょう?面識があったなんて,わたしは記憶にないのですが……」

 もしかしたら,働くわたしの姿を遠目にご覧になって気に入って下さったのかしら?それなら納得がいくのがけれど。

「あら,妙ですね。陛下はイライザの方もご自身のことをよく知っているはずだと仰っていましたが」

「…………は?」

 わたしの頭の中を疑問ぎもんが飛びった。お仕えしている身で失礼なのは百も承知だけれど,何を仰っているんだろう,この人?

「わたくしは,陛下が仰ったことをそのまま伝えたまでです。あとは陛下ご本人からお聞きなさい」

「はい……」

 もしかして,やっぱりアリサが言っていたとおり,レオン様が陛下なの?

 どちらにしても,陛下に直接お会いしてお話しする必要がある。

 わたしは気を取り直して仕事に集中しようとしたけれど,どうしてもアン様の仰ったことが気になって仕方がなかった。


****


 ――夕方。わたしは大臣の執務しつむ室を訪れた。

「アン様のお部屋係見習いのイライザ・バルディです。陛下にお目にかかりたいのですが,至急しきゅう取り次いで頂けますでしょうか?」

「承知した。しばし待て」

「はい」

 大臣はまだ三〇歳そこそこじゃないかしら。まだお若い。

 大臣が陛下にお伺いを立てに行かれている間,わたしは大臣の執務室の長椅子に腰かけて待たせて頂くことにした。

 その間,胸の高鳴りを抑えることができないまま待つこと一〇分ほどで,大臣がお戻りになった。

「陛下が,そなたに『自室にまいられよ』と仰っておられる。私について参れ」

「はっ……,はいっ!」

 わたしはドキドキしながら大臣の後ろをついて歩く。大臣の執務室から一階の廊下を突き進むと,一番奥に陛下のお部屋があった。アン様のお部屋は二階だから,一階の,それも奥の方はわたしにとって未知の領域だ。

「陛下にお声がけして参る。そなたはここでしばし待て」

「はい」

 大臣はそのまま,ドア越しに「イライザが面会に参りました」と陛下にお声をかける。中には陛下直属の侍従の方もいらっしゃるのかしら?

 しばらくすると,侍従長を始め陛下にお付きの侍従の皆さんが陛下のお部屋から出てこられた。

 ……もしかして,わたしと二人でお話しになりたいから人払いをされた?

「陛下はお一人でお待ちだそうだ。中に入りなさい」

「はい。――失礼致します,イライザでございます。陛下にお話があって参りました」

 勇気を出して,入室したわたしを待っていたのは……。

「イライザ,よく来たな。俺が誰だか分かるな?」

「レオン様……ですか?」

 お部屋の中の立派な肘掛け椅子に座って待っていらっしゃったのは,わたしもよく知っていて,恋しおしたい申し上げている"レオン様"だった。

 ……いえ,普段とはお召しものも,まとっていらっしゃる雰囲気も違うけれど。

「そうだ。俺が皇帝レオナルドだ。そなた,今までずっと気づかなかったのか?」

「……はい,まったく」

 今までは暗くなってからお会いしていたから,分からなかった。

 今はまだ明るいから,はっきりと分かる。彼の髪の色はただの金髪ではなく,皇族エルヴァ―ト家の証・美しい蜂蜜色だったのだ。

「どうして身分をいつわって,わたしに会いに来られていたのですか?」

「お忍びだ。俺はどうも,皇帝としてふんぞり返っているのがしょうに合わなくてな」

「はあ……。それだけですか?」

 リディア陛下以降の歴代の皇帝陛下が,お忍びでの外出好きということはわたしも知っていたけれど。まさかレオン様までそうだったなんて!

「それに,この姿でないとそなたと堂々と会うことも叶わないからな」

「え……?」

 確かにそうだ。もしも"皇帝陛下"として現れていたら,わたしはきっと口をきくことすら畏れ多くて,こうして会話なんてできなかっただろう。

「じゃあ……,わたしがレオン様に心を開くことができるように?」

「まあ,そういうことだ。――さて,イライザ。場所を変えて話そうか」

 陛下……もといレオン様が,優しい笑みを浮かべてそう提案された。

「は?」

「この部屋では,そなたが緊張して話しにくいだろうからな。いつもの場所へ行こう」

 いつもの場所……。あの四阿のことかしら?

「はい!」

「というわけで,大臣。お前はもう下がっていいぞ。このむすめと二人きりにしてくれ」

「……かしこまりました」

 大臣様は納得がいかなそうな顔をなさっていたけれど,皇帝陛下の命令なので従うしかないらしい。すごすごと引き下がられた。

「さあ,邪魔じゃまものは消えた。俺達も行こうか,イライザ」

 "邪魔もの"って……,家臣に向かってひどい言い草!

「はい」

 わたしは笑いながら,レオン様が差し出して下さった左手を取った。


****


 ――慣れ親しんでいる四阿まで来ると,わたしの緊張はだいぶほぐれてきた。

「さあ,レオン様。お聞かせ下さい。どうしてわたしを側室としてお選びになったのか」

 わたしはできるだけ声を落として,レオン様にお訊ねした。

「なんだ?気に入らないのか?」

 "気に入る・入らない"の問題ではない。……そりゃあ,わたしにとってはとてもあま光栄こうえいではあるけれど。

 この国では,男女問わず重婚じゅうこんが好ましくないこととされているのだ。

 レオン様ことレオナルド陛下には,アン様というご立派な皇后がいらっしゃるのに。それも,相思相愛の仲だというのに。わたしとも身分を隠して恋仲になり,そのうえお子までもうけようなんて!

「そういうことではなくて!いいですか?この国では一夫多妻が禁じられているんですよ。なのに,皇后であるアン様にお子が望めないからって,他の女にお子を産ませようなんて!ちょっと納得がいかないだけです」

 しかも,わたしは少し前まで恋も知らなくて,まだ男性との交わりも知らない乙女おとめなのだ。

 ……いや,そんなことはこの際どうでもいい。

「仕方がないだろう。そなたのことも愛してしまったのだから。……むろん,アンが大事な妃であることには変わりないが,な」

「…………」

 いいのかしら?一国の主が――それもこんな大国の皇帝が,こんなに軽薄けいはくなお方で。……あら?「二人とも大事」っていうことは軽薄じゃないのかしら?

「それに,皇帝が側室を迎えることは,法的に何の問題もない」

「……えっ?」

「そなたはこの国の歴史には詳しいようだが,法律のことはあまりよくは知らんようだな」

「……ええ,まあ」

 図星だった。

 そういえばわたし,昔から読書好きで物語や歴史書はよく読んでいるけれど,法律関係の本はほとんど読んだことがなかった。

「そなたが先ほど言った"一夫多妻の禁止"についてだが,皇族に限っては例外とされている。世継ぎができなければ,王朝が安定しなくなるからな」

「はあ。ですが――」

「この法は成立以来,一度も改正されていない。そなたが尊敬するリディア陛下でさえ,この法には手を加えられなかったのだ」

「そうだったのですか……」

 それを聞いて,"もしかしたら法に触れるかもしれない"という心配がなくなったわたしはとりあえずホッとした。

 けれど……,わたしの心配のたねは別のところにもあるのだ。

「これでもまだ,側室になることをためらうのか?」

 わたし自身には,ためらう気持ちはもうなくなっていた。愛するレオン様のお望みとあれば,すぐにでも後宮に入るつもりではいる。けれど。

「ためらっているのではありません。わたし一人の意志では決められないんです」

 ボソリと呟くと,レオン様は不思議そうなお顔をされた。

「……え?」

「大事なことをお忘れじゃありませんか?わたし,まだ十七歳なんです」

「……ああ,そうだったな」

 レオン様はやっとそのことを思い出して下さったらしい。

 この国の法でいえば,十八歳にたないわたしはまだ未成年。結婚とほぼ同じくらい大事なこの決断を,わたしだけで下すことはできないのだ。

 十八歳未満の結婚には,親の承諾が必要となる。……つまり。

「そなたを側室に迎えるには,そなたの親を説得して許しをなければならないということか」

「はい。そういうことです」

 レオン様がやっと事情を理解して下さったので,わたしは頷いた。

「ただ……,少々難しいかもしれません」

「どういうことだ?」

 わたしの両親を説得される気満々らしいレオン様は,後ろ向きなわたしの発言に眉をひそめられる。

「まあ,母は大丈夫だと思いますが……。問題は父なんです。わたし,お城のお勤めをすると決めた時にも両親をどうにか説得して、やっと許してもらえたんです。なので,『後宮に入るなんて話が違うじゃないか!』って父に怒られるんじゃないかと思って……」

 お城に上がる時だって,「ポール兄さんが一緒だから」と両親(特にお父さん)が折れてくれたのだ。

 そこまでして侍女見習いになったのに,まだ二月ほどで無責任に仕事を放り出して後宮で楽な暮らしを始める娘をお父さんはどう思うのかしら?

「裏切られた」と思われなきゃいいのだけれど……。

「――分かった。それでは,俺からそなたの故郷へ出向くとしよう。そなたの両親に直接会って,説得をこころみようじゃないか」

 レオン様の口から飛び出した思わぬ言葉に,わたしはとにかく驚いた。

「……ええっ!?レオン様が両親に会いに行かれるのですか!?父をお城にお呼びになるのではなくて?」

「そうだが?」

 何でもないことのようにレオン様は仰るけれど,なんて低姿勢なのかしら。

 皇帝なのだから,お父さんをお城まで呼びつけて「娘を側室に迎えたいのだが」って決定事項のように仰った方が簡単なはずなのに。

「俺がちちぎみを呼びつけた方が,確かに簡単だな。だが,そなたの今後の人生を左右する決断をせまるのに,権力を振りかざすようなことはしたくないのだ。そなたの立場を悪くはしたくないからな」

「レオン様……」

 この方のお言葉には,わたしへの思いやりがあふれている。ご自身の権力よりも,わたしの立場を重んじてくれているなんて。

 ……本気なんだわ。決していい加減なお気持ちで,わたしをどうこうしようとしているわけじゃない。そう思えた。

「信じてくれ,イライザ。俺にとっては,どちらも大事なんだ。アンのことも,そなたのこともな」

「ええ,信じています」

 わたしはキッパリと言い切った。この方の愛を信じようと思ったのだ。

 以前,レオン様ご自身から聞いたもの。「惚れた女にしか,気安く触れたりしない」と。

 アン様のことは本気で愛していらっしゃるらしい。けれど,わたしのことだって本気で愛して下さっているはず。だから側室に選ばれたはずだもの!


****


「――というわけでアリサ。わたし,明日は一日いないから」

 宿舎の部屋に戻ったわたしは,アリサに夕方のレオン様との面会のことを話した。

 もちろん,"レオン様"の正体は彼女の言った通りやっぱり皇帝陛下で,側室になるという話にも前向きでいることも……。

「なるほど。どうりであんた,夕食の時にソワソワしていたわけね」

 この宿舎では,食事は朝昼夕と三食とも,他の女官の人達と一緒に食堂でることになっている。

 いつもはアリサと二人でワイワイにぎやかに食事しているけれど,今日の夕食の時は騒ぐ気分になれなかった。

「えっ,ソワソワしてた?アリサってばよく見てるわねえ」

 アリサの観察がんに,わたしは舌を巻く。

「ええ,なんだか落ち着かない感じ?お父さまに何て言われるか不安なのね」

「……ええ」

 まだ一緒に働き始めて二月ほどしか経っていないのに,彼女にはわたしの心の中がお見通しらしい。

「お城で働きたいっていうワガママも聞き入れてもらったばかりなのに,今度は後宮に入るなんて言ったら,お父さんが何て言うのか……」

「あんたのお父様って,そんなにきびしい人なの?」

「厳しく……はないと思うけれど。こと結婚となると話は別よ」

父親というものは,古今ここん東西とうざい娘の結婚についてはうるさいらしい。まして,(皇族の世継ぎのためとはいえ)すでに立派な配偶者がいるかたとの重婚となると……。

「大丈夫よ,イライザ。陛下もご一緒して下さるのでしょう?だったらお父様だってめったなことは言えないはずよ」

「ええ,……そうね」

たかだか下級貴族でしかない(お父さん,ごめんなさい!)父が,この国の皇帝であらせられるレオン様に偉そうな態度を取れるはずがないわ。――わたしはアリサの言葉を聞いて,安心した。

「でも,淋しくなるわね。後宮に入ってしまったら,イライザはもうあたしとは対等でいられなくなるんだもの」

……そうだ。わたしがアリサと一緒にこのお部屋にいられるのもあとわずか。

「側室になったら,侍女が付くのよね?だったらアリサが侍女をやってくれない?」

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レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い 日暮ミミ♪ @mimi-3

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