読み切り 夏の日
にんげんさん
夏の日
これは、とある夏祭りの日の帰り道のことでした。
すっかり、辺りは暗くなり少し生暖かい風が頬を撫でておりました。
そして、祭りも終わりいよいよ帰ろうかというところで事は起きてしまったのです。
私たちが住んでいる場所は墓場を通っていくか迂回して帰るしかないのですが祭りが終わった後の墓場は行くなと祖母から伝えられておりました。
しかし、墓場を通らないようにするためには迂回して帰るしかありませんでした。
当然、私は迂回して帰るつもりでした。しかし、弟は「墓場を通らないとアレがくる。ぜったいに行かない!」と言い暴れだしたのです。
普段、怒ったりするような人ではないので私はおぞましく思い、弟を殴ったのです。そこで、私は我に返り謝ろうとしました。しかし、弟は泣きながら一人で墓場に走って行ってしまったのです。今思えば、なんで?と聞かなかった私が馬鹿だったのでしょう。
しかし、その時の私はそんなことは露も知らず独り迂回して帰ることを決めたのです。
一歩また、一歩と歩くうちに段々と気味の悪い感覚を覚えました。
そして、耐えきれなくなった私は振り返ってしまったのです。
後悔しました。
目の当たりにしたのは、人のようで人でないような、美しいようで醜いような、そのような、生物らしきものを見ました。
私は走りました、走り続けました。
そして、家にたどり着く頃にはいつの間にかあの生物はいなくなっていました。
「...ただいま」
家族に、とても心配されました。
どうやら、アレは本来墓場にいるべき存在らしいのです。亡くなった人が魂を喰らうために外に出ることが許される唯一の日らしいのです。
しかし、喰らわれなくて良かったです命あることが最優先ですから。
しかし、何故あのようなところにアレは出たのでしょうか?
それは、あなた方の想像にお任せするとしましょう。
それではさようなら
特別読み切りシリーズ読んで頂き誠にありがとうございます。これからも、頑張りますので応援お願いします
読み切り 夏の日 にんげんさん @ningensan_57
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