その才に敵味方ともに死を悼んだ

「行き暮れて木の下かげを宿とせば花や今宵のあるじならまし」

旅の道中、日が暮れて、桜の木の下を今夜の宿とするならば、桜の花が主人としてもてなしてくれるだろう。

 『平家物語』第九巻「忠度最期」に記された名歌がタイトルになっています。

 敗者の姿が心を揺さぶるのは古くは『古事記』下巻安康天皇条のツブラノオホミの最期などの時代からもありますが、日本人にとってより知られているのは『平家物語』でしょうね。

 忠度の最期の美しくも儚いシーンは心を震わされずには居れません。

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