第40話 あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この「ポストとハトと流星群」は角川つばさ文庫小説賞に応募するため書き上げました。
それまで児童文学は書いたことがなく、手探りでのスタート。
なぜ、書いたこともない児童文学を書き始めたかというと、きっかけはひとつの俳句でした。
私が大好きな番組、プレバトの中に出てきた梅沢富美男さんの俳句。
廃村のポストに小鳥来て夜明け
この俳句をよんだ瞬間、イメージがドバーっと頭にやってきたのです。
すばらしい作品にめぐりあって、インスピレーションをいただく。とても幸運な出来事でした。
それから、主人公アスをつくりだしました。このアスのモデルは「千と千尋の神隠し」の千尋です。
だらけて、やる気のない千尋が不思議な湯屋で働いて、成長していく。少女の成長譚。
ライトノベルの世界ではあまり見かけなくなった、成長譚。
困難にたちむかったり、努力したりなんて、めんどくせー。そんな気持ちもわかります。スカッと主人公の無双をみたいですよね、みんな。
でも、子どもたちにはこういう古臭い成長譚を読んでほしいなと、子どもを持つわたしは思うのです。
成長には、汗と涙、友情が不可欠。アスは物語の中でいろんな経験をつんでいきます。楽しいこと、こわいこと、かなしいこと。
このおはなしは、ファンタジーなので、実際に経験できないこともいっぱい出てきます。子どもたちに、思いっきり本の中で冒険してほしい。
コロナ禍で旅行や帰省がままならない世の中だからこそ、本というものの価値が見直されるのではないかと思います。
この渋いお話しに、メルヘンという華をそえてくれたのが、動物たちです。
とぼけた味のある親切な鹿さん。とっても頭がよくてクールなカラス。やんちゃな未来のボスザル候補ハナちゃん。
そして、タイトルロールでもある、白バトさま。
白バトさまには、とっても助けられました。なんせキャラが立っている。ファンタジーでいうところの賢者キャラであり、お笑い担当でもあり、オチにもつかえる。
なんて、便利なんだ。神か!(神です)
この動物たち、白バトさまは物語の中で八幡様の神使として出てきます。
有名なところでは、鶴ケ丘八幡宮のハトですね。あのハトサブレーです。
日本にはむかしから、身近な動物を神のつかいとしてあがめる風習がありました。
白バトさま以外のこのものがたりに出てきた動物たちは、普通の動物です。
でも、鹿もカラスもサルもみんな神の使いという信仰があるのです。
鹿は、春日大社、厳島神社など。
カラスは、熊野三山。
サルは、日吉大社など。
ということは、もしかりに、まちがって、夢かもしれないけど、「ポストとハトと流星群」が本になった場合。神使さまをキャラにして、シリーズがつくれるじゃないか。
なんて、壮大なことをチラッと夢想したのです。
神使のカラスが、人間の子どもと旅をするはなし、とか。この場合、カラスは人間に変身可能。もちろん、イケメンで。
神使は時空を超える設定なので、時代物もオーケイ。
あのおとぼけキャラの白バトさまが、戦国時代で大活躍とか(それは、ないな)
夢はどこまでも広がります。
〆切の八月末まで、推敲中です。大筋ではかわりませんが、小ネタが増えたりしている可能性があります。
ポストと手紙の設定を練り直したので、38,39話でふれています。
ごめんなさい。完璧な状態で公開すればいいのですが、みなさんの反応をみつつ執筆していきたかった。
やはり動物キャラが人気だったので、登場回数をふやしたりしました。コメントしていただいた方々ありがとうございます。
最後になりますが、推敲をしていただいた(現在進行形)カイさん、夏緒さんありがとうございます。
おふたりには、足をむけて寝られません。ほんと。
令和三年 七月
大幅改稿しました。主人公アスの年齢を小5から中1に変更しています。
ポストとハトと流星群 澄田こころ(伊勢村朱音) @tyumei
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