主人公・アスは、退屈な夏休みを過ごしていた。そんなとき、おじいちゃん宛ての手紙を出すためポストに向かうと、ポストの上にいる何やら変なハトを発見し、不思議な世界へと連れていかれてしまう。
アスは、不思議な世界で出会った小人のゲンやサブローと仲良くなって”星のかけら”集めを手伝ったり、鹿やカラスとお話ししたり…「異世界?魔法?わくわく!」みたいな雰囲気で進んでいきます。後半では世界の真実がわかり、驚きもあって面白かったです。
各話のタイトルが五十音順になっているところも遊び心があってとても良きです。中学の夏休みを想像しながら読んだり、自分の中学時代を思い出しながら読んだりと、色々な楽しみ方ができると思います。大人も子どもも楽しめ、こういった児童書は家族の会話のきっかけになるかもしれません。
中一のアスの一人称で展開されるため、読みやすかったです。まだまだ未熟なアスが、これからどうしようと悩んだり、仲間と協力して乗り越えたりする姿にグッときます。手紙を通じてつながっていくのも素敵だなと思いました。
少女の大冒険をぜひ覗いて見てください!
コロナ禍で外出ができなかった子どもたちにもぜひ読んでいただきたい。
ふとした出来事で、非日常へと迷い込んだ少女。
そこで繰り広げられる、ちょっとふしぎな人たちや動物たちとのやりとりが軽妙で、読んでいて大人でも楽しい冒険の旅を味わえます。
そして子どもたちには、今夏できなかった、やれなかったことを、小説を通じて体験できるので、ぜひ読ませてあげてください。きっと面白がって読んでくれますよ。
ただ楽しいだけでなく、しっかりと考えさせる部分もあり、警句を含んだ素晴らしい作品に仕上がっています。
子どもが読んでも楽しく、大人が読んでも味わい深い。
そして子どもが大きくなったとき、再び読めばさらに奥行きが感じられる多層構造になっていますので、「一粒で二度おいしい」作品です。
気軽に読み進められる構成と、随所に散りばめられた軽妙さで、ラストまであなたを飽きさせません。
最近楽しいことなかったなぁ。
そんな方にこそ読んでいただきたい、現代日本版の『アリス・イン・ワンダーランド(ふしぎの国のアリス)』です。
作品の魅力と読みやすさ、そして物語を構成した作者様に敬意を表し、☆3つと致しました。
つまらない日常から抜け出したいのなら、今から変えてみましょう。
その契機となる作品ですよ。