概要
「先生」をめぐる女性としての生きづらさを描く作品
一万円札を財布に入れて家を出る。婦人科でアフターピルを処方してもらうためだ。タブレット菓子のような頼りない小さな粒は、90%妊娠を防いでくれるという。二ヶ月ぶりのセックスだった。避妊に失敗したのは由也なのに、ピルを辞めた私が責められた。アフターピルはやけにどギツイピンクだ。その色は、幼いころ妹と遊んだバービー人形の唇に似ていた。
ー2019年9月8日発行合同誌『沈みつつあるアフターピル』収録作品
ー2019年9月8日発行合同誌『沈みつつあるアフターピル』収録作品
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