自殺の名所に旅立つ、死に迷いを持つ人々の群像劇。

脚本の様式で描かれていますので、頭の中で役者さんにお芝居をさせながら読み進めると楽しいです。

死について思い悩む人々の群像劇。
けれども決して重たい話ではなく、軽快にお話は進みつつも要所要所で死について考えさせられます。

旅の目的地、清津へ彼らを運ぶディーゼル列車が陰ながら心地よい情緒を与えてくれます。

雨に優しく洗い流されていくように、すっと気持ちの楽になる読後感が良いです。