概要
こんばんは、あのとき殺して頂いたイノシシです
突然の吹雪から間一髪逃れて帰還した主人公。窓の外を眺めながら命あることを実感していると、なんと部屋のチャイムが鳴る。大雪のまっただ中に訪れた客人は、かつて撃ち殺したイノシシだった。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!そりゃあ「掛ける言葉が見つからない」わけだよ
端的に云えば、"私"のもとへ以前撃ち殺したイノシシが恩返しにくるというお話。
かつて殺したイノシシから、理由はどうあれ殺してくれてありがとうと感謝されるのは、"私"の立場から考えるに何やらバツが悪い。このときイノシシは人の姿に化けているのだが、"私"の仕掛けた罠にかかった傷痕(そして恐らくは銃創も)が残っているのも"私"からすればバツが悪い。ちなみにイノシシの訪問時、"私"が食おうとしていたのは所謂ぼたん鍋(イノシシ肉の出どころは云うまでもない)だった。もはやトリプルでバツが悪い。
イノシシは何故自分を殺した"私"のもとへ恩返しにやって来たのか? この短編は最後の最後で読者にこんな教訓を…続きを読む