あとがき
作品を重ねる度に、焦りというのはどんどん膨れ上がるものなんですね。前作の「コスモガール」のアイデアを考えていた時もそうでした。
本作の物語も思ったより決まらなくて、本当に完結できるのかなぁと心配でした。書くからには半端な終わらせ方をしたくなくて、始めの一文から最後まで、徹底的にこだわり抜きたいと思っているので。
本作は「生と死」が大きなテーマの一つとして入っています。本作を書こうと思ったきっかけとしましては、今年がとても過酷な一年であったことが大きいです。
新型コロナウイルスの蔓延による緊急事態宣言の発令、自粛の要請、日に日に増える感染者の数。町行く人はみんなマスクを身に付け、出歩く人はほとんどいない。僕達の日常は大きく変わってしまいました。
そして一番心に刺さったのは、多くの著名人の死です。名前を出すのはやめておきますが、感染症だけでなく様々な原因で、多くの有名人が亡くなりました。日本中のほとんどの方が、衝撃を受けたことでしょう。今年に入ってから、死というものを身近に感じるようになりました。
だからこそ、死ぬとは何か、生きるとは何かを、この小説を読んで改めて考えてもらいたいと思いました。死にたいと思っている方に、生きることに希望を見出だしてもらいたいと願っています。
ちなみに、死後の世界を天国と地獄という設定にしたのは、ただ単に自分が存在を信じているからです。死んだ後に永遠の真っ暗闇をさまようなんて、嫌じゃないですか。せめて、天国や地獄みたいな世界があってほしいと思ってます。
本作の執筆は、本当にとてつもなく大変でした。自粛期間もあって時間が生まれると思いきや、学校の課題の山が次から次へと積み上がり、想像以上に時間を奪われました。今年になってから、急に忙しくなっちゃいましたね……。
それに、精神的な不安も抱えていました。何度も自分の才能が信じられなくなり、自信を失い、更新が止まってしまいました。本当に毎日が辛くて、寂しくて、悲しくて、疲れました。
それでも、こうして完結を迎えられたのは、読んでくださるみなさんの応援のおかげです。書いたのは自分ですが、みなさんがいなかったら、確実に完成させることはできませんでした。改めて読者の存在の大切さを再確認した執筆期間でした。みなさん、本当にありがとうございました。
本作のテーマは、いつもの「愛する者のために、人はどこまで本気になれるか」に加え、「謝罪の重要性」というのもありました。最終話付近でも書きましたが、みなさんは悪いことをしたら、謝れますか?
もしかしたら変なプライドが生じて、恥ずかしくて自分から謝るということが、できていないのではありませんか? できていないと決めつけるわけではありませんが。
非常に難しいことだとは思います。自分に非があることを認めるって、とても勇気がいりますよね。それでも、今よりもっと優れた自分になるために、自分の行いを省みて、謝罪の言葉を述べ、悪いところを改善しながら生きていく。
これが人生です。反省、もしくは謝罪という過程は、僕達の人生に大きく組み込まれているのです。
この世にもあの世にも、完璧な人間などいません。どこかで必ず間違いを犯します。では、間違いを犯せばどうするか。まずは謝るでしょう。“謝罪”というのは、とても難しい行為です。罪を犯せば、人は謝らなければいけません。
しかし、子どもの頃は何のためらいもなくできたのに、大人になるとなぜか謝るという行為を、恥じてできなくなります。中には他人を傷つける、人を殺すなど、謝罪だけで済ませてはいけない罪も、もちろんあることでしょう。ですが、謝罪という行為から、反省が始まるのです。謝罪は人に成長をもたらすのです。
この物語を通して伝えたいことの一つとして、「どんな悪いことをしても、まずは謝罪をして、自身の行為を悔い改めることの大切さ」があると思いました。
友美は物語の中で、数えきれない程の罪を犯しました。直人に会いたいという自分勝手な思いで、友人を巻き込んで危険な目に遭わせたりもしましたね。死んだ人に会えることは絶対に幸せなんだと信じ、他人の持つ信念を否定してしまいます。
しかし、最終的には直人との距離的な問題としての決別を受け入れます。「ごめんね」と口にして、彼女はまた一つ成長します。この物語は謝罪によって完結することができるのです。
それはとても難しいことです。しかし、謝罪することがどれほど大切なのかも教えてくれるのが、この『世界で一番大きなごめんね』であってほしいです。これは一人の少女が、最愛の人も含めた様々な人々との出会いを通し、自分の重ねた罪を悔い改め、成長していく物語なのです。
本当に謝罪は難しい行為だと思います。自分に非があることを認めるって、とても勇気がいりますよね。それでも今よりもっと優れた人間になるために、自分の行いを省みて、謝罪の言葉を述べ、悪いところを改善しながら生きていく。
そうすることで、人は成長していくのです。反省、もしくは謝罪という過程は、僕達の人生に大きく組み込まれているのです。
僕も幼なじみに謝ることが、いっぱいあるかもしれません。後で思い返せるだけ思い返し、謝罪のLINEを送ろうと思います(笑)。
何か思い当たることがある方、自分の言動を振り返り、勇気を出して「ごめんなさい」を口にしてみませんか?
この物語の出来映えはどうだったでしょうか。書き終えたばかりなので少し実感が湧きませんが、後で読み返して思うことでしょう。「ここ、めちゃくちゃいいじゃん」とか「やばっ、ここヤバい。全然ダメだ」とか。
しかし、先程言ったように、完璧な人間はこの世にいません。誰もが失敗し、間違えるのです。物事が上手くいかないと思い悩んでいる方へ、このことも伝えておきたいです。
自分の才能に自信を持ってください。プロだろうと素人だろうと、間違える時は間違えます。そこから何度も立ち上がることが大切です。自信をなくしても、決して諦めないでください。自分を振り返り、やり直すのです。僕はみなさんを応援しています。ぜひ、一緒に頑張りましょう。
本作を読んでいただいた方に、大変感謝申し上げます。現在、早くも次回作を考えていますが、全くアイデアがまとまりません(特にタイトル……)。次のお話も、気に入ってもらえるか不安です。きっと、次の作品もかなり悩むことでしょう。それでも自分なりに頑張ろうと思います。
これだけ作品を重ねてきた僕ですが、まだまだ至らないところは多々あります。みなさんの素晴らしい作品を読ませていただきながら、精一杯勉強していきたいと思います。
最後までありがとうございました。それでは、次回の作品でお会いしましょう。みなさんのご期待に答えられるような作品を書くため、日々努力を重ねて参ります。どうかこれからもKMTの作品を、ご愛読お願い致します。
KMT
世界で一番大きなごめんね KMT @kmt1116
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