小さい鳥居

作者 坂水

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★★★ Excellent!!!

小さな鳥居の謎。
このお話は主人公目線で進み、どこか白昼夢のような雰囲気があります。真夏の悪い夢。ふとした瞬間の哀愁のような。

その鳥居がなぜそこにあるのか。
その奥には、いったいなにがあるのか。

境界線が曖昧な日本人は、内外、手前奥の隠れた場所に、想いを寄せる。

初夏の独特な雰囲気。そして、日本人の性質が調和したある種の不気味さも感じるお話です。

皆様もぜひ、ご一読くださいませ。

★★★ Excellent!!!

道端で見かける小さな鳥居。
その正体を探っていくうちに、なにやら奇妙なことに巻き込まれてしまう主人公。
神域を穢したら、引っ張られてしまうんだよ……。向こうに。

面白かった!!

鳥居の正体は知っていました。ただ、それからあんな展開になるとは!
夏の夜に、スッと涼しくなる傑作でした。
この作品に会えて良かった! 是非多くの方に読んでもらいたい作品です。

★★★ Excellent!!!

何気ない疑問から徐々に不穏な空気を立ち上らせ、日常とホラー性の境界線を絶妙に薄めていく技量に感服しました。無理がなく、それでいて確実に読者の感情を揺さぶってくる見事な構成。そして、完璧としか言いようのないこのエンディング。恐怖も確かに味わうけれど、読後に残るのは怖さとはまた別の何かだと思います。小説としての完成度の高さに惚れ惚れしました。皆さん、ぜひお読みください!

★★ Very Good!!

たくみな筆致で、ひじょうにリアルに描かれる現代の怪談。
冒頭でなげかけられる鳥居という小さな謎が、しだいにふくらみ、じょじょに高まる不安感。
世情を取り入れ、ムリなく、ムダなく、自然にホラーの世界へ誘う技量はかなりのもの。

これです。こういうのを読みたかったんです。

★★ Very Good!!

薀蓄物かと思って、読み進めました。
すると、徐々に雲行きが怪しくなる。頭の中で黒い入道雲がモクモクと蜷局を巻き始める。ポツリ、ポツリと雨もパラ突き始めた。
「あれっ⁈」とジャンルを確認すると、ホラーでした。

薀蓄物だと早合点した私が悪いのですが、肩透かしを喰らったのと、(近所に同種の存在が有って)アレの正体を既に知っていたので、星2つです。
まぁ、最大の理由は、短編にはMAX2つが信条だからです。