いい月の夜には、化け物がよく似合う。

 旅の呪い師が、化け物退治を行う話。

 古来、旅をする者の物語とは、安住の土地を持たぬ者の物語。
 それは、大抵何かをしでかしたか、しでかされた人の話であります。
 誰かを助けることで、自分が失ったものを埋め合わせをしようとする、その哀しさと血風こそが、エンターテイメントの華。
 ここまで堂に入った物語を書けるなんてのは、ただ事ではございません。
 余りにおぞましくて、ワクワクする。いけない箱の蓋を開けてしまうようなドキドキを味わえる妖作です。

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化け猫ユエ

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