「カワイイ」で戦う女の子たち。
どういうことなのかは、第1話を読めばわかります。出だしから、もうわくわく。
カワイイ細胞、カワイイエフェクトなど、独特の設定がすっと頭に入って世界を作ってしまって、すぐに彼女たちのバトルの様子が光や音と共にはっきりとイメージできました。
キャラクターたちは、見た目も喋り方も戦い方も個性に溢れていて、どの子が主役であってもいいと思えるような立体感と存在感を持っていました。
終盤の一番大きな敵との戦いの場面は、四方八方からのあらゆる言葉を駆使した圧巻のバトルシーンでした。作者さまの選び取る言葉のひとつひとつにエネルギーが溢れていて、読んでいて本当に眩しかった。
それは全部、キャラクターたちの魅力を引き出すために発揮されていて、技名ひとつを取っても、個性を輝かせるのに相応しい単語がこれでもかと詰め込まれていました。可愛いし、とてもかっこいいシーンでした。
真のカワイイとはなにか、の答えは、主人公星衣羅ちゃんが仲間たちと戦いながら見つけ出します。彼女がそこに辿り着くまでの様々な心情は、親友との思い出や再会などを通して徐々に形作られます。
丁寧に書かれた気持ちの変化や素敵な思い出のエピソードなど、女の子らしい可愛さにほっこりしたりきゅんとなったりしました。
彼女たちの「カワイイ」がこれからも進化し続けることを予感させる、溌剌としたラスト。本当の可愛いを知りたければぜひ読んでみてください。
アラマアアアアアア!!(感動の叫び声)
カワイイカラテ! それは少女が身に宿す"カワイイ細胞"を活性化させ、カワイイオーラを纏って戦う総合格闘技である! この物語は、小学四年生にして全国のファイターの頂点に君臨する千条院星衣羅が真のカワイイを追求する美と闘争の記録である!
「カワイイ=強い」というぶっ飛んだ世界観で、可愛い女の子たちが超人バトルを繰り広げる痛快バトルアクションです。
ロリータカラテの使い手である主人公の星衣羅は可愛くて強いだけじゃなく、内側からにじみ出る気品と真っ直ぐな性根が眩しい女の子です。
そんな星衣羅の前にカワイイに憎悪を燃やす闇の組織"アンチキューティー"が襲来する。組織には無二の親友だった虹ヶ峰葉湖の姿が!? 友の真意を確かめるため、お互いのカワイイをぶつけ合う少女たちの戦いが燃える! いや、正直なにがなんだかさっぱりわからんが、とにかく胸が熱くなる!!
そして激闘の後の少女たちの友情……! おかしいな、雨なんて降ってないのに視界が濡れて前が見えないぜ……。これがカワイイの真髄、皆もとくと見よ!
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)
カワイイ細胞より生まれる無限大のパワー……それを使いこなす「カワイイカラテ」。この設定の時点でもはや面白いこと間違い無しなのだが、その期待はどちらかというとコメディ方向でのものだった。まさかそこから世界観が深掘りされていくごとに強く大きくカワイクなっていくとは、恥ずかしながら予想していなかった。いやはや、あっぱれと唸るばかりである。
カワイイとは何か。肯定である。
カワイクナイとは何か。否定である。
だが実際、世の中頭のてっぺんからつま先、そして性格まで全てカワイイ存在がいるだろうか。カワイクナイが微塵も含まれない人間など、いるものだろうか。
この物語は(というか、かぎろさんの描く物語の多くは)、人間賛歌に溢れている。色んな人間がいて、その多様性にそれぞれの良さがあることを肯定してくれる。
カワイイは作れる。
それは、カワイクナイがあるからこそ。
カワイクナイを知らない人間に、カワイイは語れない。
ここまで言った上で、あえて言おう。
この作品は、「カワイイ」の塊である!!!