with美少女
side美葉菜
「美葉菜ちゃ〜ん」
駅前で美音ちゃんが手を振っている。
隣にはいつも桜沢くんや美音ちゃんと
一緒にいる、
さか、さかなんとかくんもいた。
「福原さん。こんにちは。坂中零です。」
あ、そうだ。坂中くんだ。
「福原美葉菜です。」
自己紹介をしていると、
「今からあそこに準備に行くよー!」
ショッピングモールを指差して
ノリノリの美音ちゃん。
「準備、何の?」
「もー。お泊り会に決まってんじゃん!
凛斗ことドキドキさせたくないの?」
「させたいけど…」
「零は女の子がをオシャレしてきてくれたらどう思う?」
「普通にドキッとするよ。
俺のためにやってきてくれたんだ。
と思って。特別感感じるよねー。」
だって、だって…
それ何とも思ってかないか、
もしくは少しいいなと思ってる
女子前提でしょ。
私、桜沢くんに
嫌われてる気がするんですけど…
「零の言う通り。
オシャレしてドキドキさせよ!
レッツゴー!」
美音ちゃん初めて喋った時より
全然めっちゃ明るくなった。
それだけ友達感増してるってことかな。
少し嬉しくなって
ニコニコしている私を連れて
美音ちゃんが向かったのは
中高生向けのブランド服売り場。
そこで美音ちゃん主催の試着会が始まった。
「美葉菜ちゃんこのワンピース着てみて!」
美音ちゃんが本日何十着目の
服を押し込んでくる。
「んー。やっぱこれかこれだな〜。
零どっちがいい?」
「俺はこっちの水色と紫のワンピースが
いいかな。」
「よし、了解。せっかくだから
さっきのピンクのやつも両方買ってあげる」
とレジに行ってしまっている間に
「今日、美音やたらテンション高いけど
気にしないでね。」
坂中くんが話しかけてきた。
「あ、気づいてたけど
全然気にしてないです。」
「多分美音にとって初めてできた女子の友達だよ。美葉菜ちゃんは」
坂中くんの言うことが信じられなかった。
あれだけ美人で可愛くて性格もよかったら
いっぱい友達いそうだけどな。
「美音、小学校高学年の時から恋愛とか
コンプレックス関係で女子から恨まれてて、ウチって基本的に小学校から
エスカレーターで上がれるから。
ずっと俺と 凛斗と一緒で
自分で言うのもなんだけど
俺らってモテるらしいから
余計に反感買ってて今でもクラスの女子数人に無視されてるし、ハブられてる。
美葉菜ちゃんは美音にとっては
初めて家族以外に心を許せる同性なんだ。」
「私が?!」
「最初は凛斗に近づいた
軽い人と思っていたらしいけど、
今は美葉菜ちゃんがめっちゃ可愛い💕
大好き💕だってさ。」
坂中くんの言葉に私はとても嬉しかった。
だって私も美音ちゃんが大好きだから。
「美葉菜ちゃーん」
美音ちゃんが笑顔で駆けてきた。
「ありがとう、坂中くん。」
買い物もそうだけど、
そのことを教えてくれて。
side美音
「ありがとう」
ニコッと微笑まれた零が少し顔を赤くして
「この子めっちゃ可愛くね?なんで凛斗振ったの?」
と耳打ちをされた。
そう。美葉菜ちゃんは可愛い。
E組だから表立って注目されないだけで
10人ぐらい狙ってる男子いる
って聞いたことあるし。
凛斗が不機嫌だから蓮斗くんに聞いたら
いつも一緒のメンバー。
神田くんに告られたらしい。
ちなみに蓮斗くんも美葉菜ちゃんのことが
好きだし。
美葉菜ちゃんは凛斗一筋だけど。
ま、凛斗とも気付いてないだけで
美葉菜ちゃんのこと好きだと思う。
美葉菜ちゃんが告られて機嫌悪くなるのは
嫉妬以外の何者でもないし。
可愛い美葉菜ちゃんとイケメンな凛斗は
お似合いだし、
美葉菜ちゃん
私が知っている同年代の中で
一番性格が良い。
(凛斗に告白した人たちの中で)
あの子とかこの子とかより…
今でも私を無視してハブっている
同じクラスの子たちを思い浮かべる。
あの子たち、振られた瞬間
逆恨みして無視された。
あの人たちと比べると
美葉菜ちゃんは天使だ。
振られたのにその人といつも一緒にいて
恋人って言われてる女と
友達になってしまうのは
美葉菜ちゃんぐらいしかいないと思う。
だから二人を応援したくなる。
仲良くなって
私を利用しようとする人もいたけど、
あの子は考えつかないらしい、
むしろそれを言ったら
キョトンとされた。
「ありえないよ!
友達利用したくないもん。」
うん、めっちゃ天使。
その時、私は
利用すること自体を考えつかない
性格が良すぎるこの子が
凛斗とくっついて欲しい。
と同年代の中で初めて思ったのだ。
「あ、美音ちゃん。これ」
差し出されたのはイヤリング。
「これ、可愛いと思ったからお礼にどうぞ」
「ありがとう。」
「それつけて浩ちゃんに
可愛いと言わせちゃいな!」
囁かれて思わず顔が熱くなるのが分かった。
浩輝に「可愛い」と言われたい。
今回浩輝、来るって言うし、
まぁせっかくだから
少し意地を張らずに素直になってみよう。
「うん、分かった。」
girl❗️girl❗️girl❗️ 美世花 @miyobana
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