第7話 雪熱他推行きます!

 さて、それでは雪熱他推行ってみましょう。直近に公開された数作はまだ読めていません。あと複数作投稿されている方はそのうちの一作しか読めていません。ここまで読んだ作品の中から他推していこうと思います。


 まずはストレート系から。


蜜柑桜さん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898630086

 NHKの朝ドラ系雪熱、ここまでストレートだと清々しいですよね。もともとストレート系にはこだわりのある蜜柑桜さんですが、今回は描写と物語の進行のバランスが抜群です。シーンが切り替わるたびにキレのある描写で空気感を伝えています。古い日本建築と着物の若女将、日本庭園の松の木、その枝に降る雪、最後に出てくるバスはボンネットバスでしょうね。


lagerさん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054897985446

 才能のぶつかり合い、華やかな遠い世界に行ってしまった幼馴染への募る思いと劣等感。何を書いても熱血物語になるlagerさんは、一見ただの幼馴染恋物語、しかし熱いパッションを内に秘めたストレートな雪熱を書いてくださいました。読めば読むほど味の出るお話しになっています。


物語る人さん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054897976616

 秋人が久しぶりに会う美冬へ第一声で何を言うか。これは気が付きにくいところですが、物語のトーンに大きな影響を与えていると個人的に思っています。物語る人さんの秋人の第一声、注目して読んでみてください。この一言で秋人と美冬のそれまでの関係性が想像できてしまう素晴らしい一言です。ここでこういうセリフ言わせるのは圧倒的なセンスですよね。最後のエンディングも素晴らしい。安定感抜群のストレート系雪熱に仕上がっています。


野々ちえさん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054897934591

 前回葉桜で獲得した★の数でトップランカーだった野々ちえさん、秋人の設定にすこーし調味料を加えて、ストレートな恋物語に料理されています。何気ない描写の積み重ねで強固な作品世界を構築。ほぼ美冬の心理描写一本に特化した雪熱で、これだけ支持を集めるのは女性からの共感度が高いのでしょう。レギュレーションをひねらずに物語に仕立てるテクニックはなかなか真似できるものではないですよね。



 続きましてSFファンタジー系。SF系の書き手さんの魂を刺激するプロットだったのでしょうか、傑作連発です。


國枝藍さん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898309656

「疎遠になった幼馴染が訪ねて来る」というレギュレーションの一番の難所をファンタジー系ギミックで見事に切り抜けられているのが國枝さん。これは素晴らしい。仕掛けも素晴らしいですが、ラストがとても切ないですね。しかしこのギミックを支えているのは的確な描写。ファンタジー系ギミックに目が行きがちですが、心理描写と情景描写も無駄がなくて、これはとても勉強になります。


あかいかわさん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898591958

 前作の「葉桜の君に」の世界観の延長の作品です。これは純SFになるのでしょうか。二作セットで読まないと良さが分かりません。ものすごく閉塞感のある作品舞台の中での美冬のセリフや行動をよーく注目して読み解きたいですね。現代社会への痛烈な風刺が効いているとも言えるかもしれません。


文長こすとさん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898188427

 壮大なモンスターパニック・アクションSFです。いやあ、雪熱で真剣に感動するとは思いませんでした。緊迫感たっぷりに迫ってくる破滅のカウントダウン、秋人と美冬のやり取りがガチ命がけなのです。お互いの主張、お互いに理解はできるが同意はできない。それはまさに生き様の問題なんですよね。とにかくおススメ、今回の企画参加作の中でイチオシです。


泡沫 希生さん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054897963442

 前回葉桜では不思議な異世界をベースに書かれた筆致企画常連皆勤の泡沫さん、今回は異形の力を持った秋人の行動にスポットをあてられています。ラストが納得かつ、これは切ない……。美冬が取った無意識の行動が泣かせてくれます。


もりくぼの小隊さん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054897973590

 バイオレンスアクション系雪熱。アツい男のアクションストーリー、ひたすらアツいです。前回葉桜で私、忍者書きましたが、同じ忍者ものでも書き手の違いでこんなにも筆致が違ってしまうのか、と個人的に驚きました。ダークヒーローの暗躍するダークな世界観の雪熱なので万人におすすめしづらいのが遺憾ですが、強烈に印象に残る度ではトップクラスです。


 この他にもこのジャンルには印象に残る作品がいくつもありました。が、ネタバレ一発で台無しにしてしまいそうで紹介しづらいです……。


 そしてこのレギュレーションからギャグ・コメディ系。天才的なひらめきがないとギャグ・コメディに持って行くのは極めて難しいプロットだったのですが、それをやってしまった強者たちです。


肥前ロンズさん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898112040

 これは …… 、秋人と美冬の行動が二人ともものすごく自然です。しかも二人とも結構真剣。なのになぜかギャグコメディにカテゴライズされてしまうストーリー。いや、これは天才だからこそ書けたこの結末。爽やかに笑ってあげましょう。美冬に共感できるというコメントが殺到するのは当然の結末でしょう。


宇部松清さん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054897980747

 いやあ、さすがにこれは秋人かわいそうですよ。ギミック満載、仕掛けで思い切り笑った後、秋人を待ちうける過酷な運命には不憫で泣けてきます。なにも悪いことしてないですよね、秋人……。そんな秋人のかわいそうな人生なのですが、なぜか笑いがこみあげる文章の不思議。さすが宇部松清さん、歴戦の強者だなあと思わざるを得ないです。


 あと、無月兄さんのラブコメ雪熱はシンプルに面白いですよね。すでに圧倒的な星を獲得されているのでご紹介するまでもないかなと思います。


 こうしてみると極端に学園モノが少ないです。面白い傾向です。


 さて、自主企画の開催期間はまだ四週間残っています。まだまだおっぱいもぺんぎんもガチエロ(BLとは言っていない)も企画終了間際の魔術師さんの作品も出てきてません。公開されるのを楽しみに待っていますね♡




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