このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(77文字)
料理、その技術は数々の人達の手を渡り歩き、多くの人々を結び付け、人の数だけ、美しい色彩が織り込まれる。味わい深さは人の味。時と共に僅かな色の変化を持ちながら、どこまでも織られ続けて行く事でしょう。お食事はまだですか?それなら丁度良い。ここに最高の一皿があります。まずは一口、召し上がれ。あなたもきっとお気に召すはずです。
フランス料理の味わい、修業、お店の様子などか丁寧に描かれていて、読んでいて自然に食に誘われるような味わい深い作品です。映画「バベットの晩餐会」を思い出させるような人情ドラマでもあります。口下手でも、一途に自分の生き様を貫く事や、作った物で思いを表現出来る事の尊さを感じさせてくれる物語です。
ほのぼの心温まる気持ちにさせて貰える素敵なオムニバスです。皿を飾るお料理の描写。ブキッチョなコックさん(たち)のエピソード。そんな、ひと皿ひと皿に丹念に作られた料理を味わい、デザートは素敵な読後感。何回もかみしめたくなりますね♪♪
とある店に、ブキッチョなコックさんがいました。そのお店の見習いさんも、やっぱり、ブキッチョなコックさんでした。彼らの目指す一皿は、スペシャルでいて、それでありふれていて――でもやっぱり、とても美味しい一皿でした。彼らブキッチョなコックさんの、その一皿を目指す軌跡を、そしてこれからもつづくその軌跡を――一皿を、ぜひご賞味ください。
素敵なレストラン。真面目なコックさんです。コックの仕事について、詳しいです。飯テロ具合もいいです。外国での修行、別れ。いいエピソードです。料理人は、食べる人の気持ちを誰よりも考えてますね!
無垢のテーブル。柔らかな陽射し。素朴な、けれど豊かな料理。此処は至福のレストラン。料理に込められた想い。国を越えて、時を越えて、人から人へ。不器用で、まっすぐで、あたたかな一皿は、生きる歓びに満ちている。丁寧にアクをすくい、じっくりと煮込んだ、味わい深い物語。どうぞ、あなたも至福のひとときを。
読後に紅茶を飲みながら、心地よい満腹の余韻を楽しめるでしょう