無定形の復讐者
デッドコピーたこはち
第1話
『着地まであと10秒、噴射開始』
『3、2、1。着地」
『
男の脳裏に
経路を確認した男は目の前の鉄扉の間に指をねじ込み、無理矢理にこじ開けた。
鉄扉の先は巨大な倉庫であった。天井までうず高く積まれた貨物が、この
男が埃まみれの通路を進んでいると、
『12時の方向から3つの生命反応を確認。
暗がりから現れた3体の
20年前、テロによってこの
『戦闘形態に移行』
次の瞬間、男の煮え立つ復讐心は
『出力70%、精密射撃』
超音速まで電磁加速された3発の徹甲弾が、3体の
『生命反応消失。お見事です』
男は
『迂回しましょう。確かにここを通るのが最短ですが――』
『了解。戦闘形態に移行。
男は
男は3回の射撃を行い、
あそこに男の目指す発電施設があり、男が破壊しなければならない
男は堂々と
男は発電施設の正面玄関の前に立った。
『電子施錠されています。ハッキング致しますので少々お待ちを』
『上です』
発電施設の制御室を目指していた男は、
『格闘武装、チェインソー』
『出力30%、速射』
『お怒りはごもっともです。
男は肉と体液でつくられた赤いピューレを踏みつけて進んだ。
『この扉です』
男は歪んでいる扉を蹴り開けた。扉の先は発電施設の制御室だった。ガラス張りの壁からはその先にある核融合炉の様子が伺えた。
男は眼下に広がる発電所の地下空間を見下ろした。核融合炉には下半身が大樹のようになった
巨大な
男の心に決意が漲った。
『単射、核融合弾頭』
男の右腕がグレネードランチャーに変わった。その単発式グレネードランチャーには
『タイマー起動。起爆は20分後です。急ぎましょう』
男は一度も振り返らず、制御室を後にした。
『
男は
『3、2、1。脱出」
男は貨物エレベーターの
『核融合弾頭、起爆』
ズンと地面が揺れた。地面はしばらく揺れ続け、やがて止まった。
『目標達成です。おめでとうございます』
男は大の字になり、雲一つない青空を見上げた。
『あなたは全てを失った訳ではありません。あなたの命があります。命さえあれば、何とかなります』
男はぴくりとも動かなかった。
『――それに、私もおります。
男はしばらくそのまま寝ころんでいたが、やがて立ち上がり、歩き出した。
無定形の復讐者 デッドコピーたこはち @mizutako8
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます