次は私の番だよね、と、彼女は言った

作者 弥月ねお

外見「魔王」な「音楽の天使」と救われた彼女たちの、サクセスストーリー。

  • ★★★ Excellent!!!

 誰からも怖がられ避けられる「コワモテ」ながら、優しく包容力にあふれた主人公・南雲君と、音楽を通じ彼に関わる女性たち、オタク趣味を共有する友人たちとの、恋と友情をまじえたサクセスストーリー。

 怖そうな外見ゆえに人に避けられ続けてきた南雲君は、自分の顔が相手を威圧するのがわかっていて言動にものすごく気を遣っているのですが、大抵裏目に出てしまう。そんな哀愁ただよう宿命の彼に転機が訪れたのは、妄想の勢いでつくった曲を「顔出し無しで」動画サイトにアップロードしてからでした。
 そこから広がってゆく人脈が、彼の「怖さ」を「魅力」に逆転させ、音楽業界の女性たちとの距離が一気に縮まって――。

 読み手にとっても魅力的なのは、南雲君の朴訥で優しい人柄です。彼を支える親友二人も面白い奴らですし、変遷してゆく女性たちとの関係性は、最後にしっくり収まるよう構成されています。思わぬヒットの切っ掛けとなった曲が、ラスト「ああ、そうだったのか!」と。
  文庫本一冊程度の文量で完結済み、さくっと一気に読めて読後感がとても良いですので、お勧めです。

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