夢見草は一瞬の輝き。だからこそ美しい。

 国語教師の葉太は、高校三年のクラスの担当となった。そのクラスに、かつての恋人に似た桜子を見つける。
 進学クラスでも上位に位置する彼女と進路について面談した時、彼女は何かを隠すように、事務的にしか答えなかった。
 彼女が隠していたのは、自分の「夢」についてだった──。

 思春期特有の「将来についての悩み」を語る本作は、巧みな文章構成と確かな語彙に彩られ、読む者をこの物語の世界に引き込んでくれます。
 さて、この物語の素敵な結末とは。ぜひご自身の目で、確かめてくださいね。そして「桜」について、思いを馳せて下さい。
 それはきっと、素敵な時間になるでしょうから。

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