第4話
そして2020年夏。汗ばむ熱い夏。剣道を初めて一年経ったけど1からのスタート。
新型ウイルスも落ち着いてきて9月から学校が再開する。なんかずっとダラダラしていた。学校再開を前に道場も開くことになって、きっとみんなの気持ちを引き締めるためだろう。
いろいろ大変だったけど偶然が重なって僕はここで剣道を続けられる。
「見ないうちに少し体大きくなったか?」
「気のせいだよ」
「でもチビには変わりない」
「お父さんだってチビじゃん」
「ん?」
「なんでもない、なんでもない」
「悪口も大きな声で言えよ」
「聞こえてるんじゃん」
「よし、今日から冬の大会に向けてビシバシ稽古してやるからな」
「はい、お願いします」
お父さんの大きな手。僕の頭をポンポンってしてくれた。
「お前にはまだいろいろ教えなきゃいけないことあるからな。厳しくするけど嫌いじゃない。お前が可愛くて仕方がない。一緒には住めないけど、お前は僕の最愛なる息子だ。それだけはわかってくれ」
あのパートナーの人が言ってた通りだ。僕はつい笑ってしまった。
「わかってる」
「お前、ませてるなぁ……」
お父さんは苦笑いしていた。
終
僕とお父さん 麻木香豆 @hacchi3dayo
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