評者はノンケの中年男性で、同性愛者を嫌ってはいませんが某行為に加わることには身の毛がよだつ立場です。
しかし本作を読んでいると、なんとなくですが、同性愛男性のノリが分かるのです。いや、勝手に分かった気になっているだけですが。
本作はとにかく明るいです。そして軽いです。これはよく分かります。男子が集まったときの、いわゆる、ダチ、の会話です。男子が集まるとこんなもんだよね、「女が集まると……」なんて話、男子も同じだよね、そんな気楽な気分で眺められます。
しかし作中人物はいずれも同性愛者で、どうしても出てくるのです、「営み」が。あ、失礼しました。具体的な描写はなされない全年齢向け作品ですから、ご安心を。
異性愛者だと、そもそも違っていて理解し合えない異性と「ヤる」ものです。
同性愛者は同質で理解し合える相手と「ヤる」のです。
「ダチ」と「愛人」が矛盾しない関係。これが同性愛なのですか。
いや、勝手に分かった気になっているだけです。当人たちに直接話を聞いた訳ではありません。
しかし本作を読んでいるとなんとなく分かるのです。なるほどなぁ。
好き嫌いが分かれると思いますが、普段見ない世界を垣間見られます。