私小説CAPITAL LETTER

アヤメ

第1話 B'z  あなたならかまわない

「思い通りじゃなくてもいい、期待外れでも大丈夫よ、全然それでもかまわない、あなたならかまわない」

ではじまるB'zの「あなたならかまわない」。

登場する女性は愛する彼が今までの男性のように女性に対して様々な期待をしていると想像して、なおかつその期待通りの女じゃないからごめんなさいという謙虚さを持っています。今まで出会った誰よりも彼は気持ちが魅力的だったからこそ、怖気づいてしまって告白したのかもしれないですよね。あなたはいい人だから、きっと私のことを良く思っているだろうけれど、私はそんな女じゃないのって。この女性の感情の裏にはきっと「あなたは何もかも完璧だから、きっと私を知ったら驚いてしまう」という「素敵な彼」を勝手に作り上げてしまっている面もあると思うんです。

男は男で「騙されたってかまわない、俺は君が好きだから」とすべてを投げだすことを覚悟しているのに、女性は「申し訳ない」って謙虚さを持っている。ここですでに気持ちがすれ違っているんですよね、しかも、互いを思いやるがゆえに。

そしてこの曲の局面で互いの気持ちを確認し合う、私はそんなふうに想像します。


うるんだ眼を拳銃のようにつきつける、、、


もう男性は騙されることも殺されることさえいとわないほど彼女を愛しているけれど、彼女はそんなことを微塵も感じていない。どれだけ相手に愛されているかを感じていないんです。自分はきっとだめな人間だからって、あなたにすべてを受け入れられるような人ではないって勝手にあきらめているんです。でも、この謙虚さはぐっときます。

最後の部分で来る、「そういう僕も思い通りの人じゃないよ、想像以上にいかれている」っていう言葉には男の強さとか包容力を感じます。いろんな経験をしたからこそ、人間ってきれいな部分ばかりじゃないし俺だってそうだよ、だから大丈夫だよって。この男の色っぽいところは「想像以上にいかれてる」という言葉の裏にあると思うんです。想像以上に俺いかれてるんだ、でも、俺の事受け入れてほしい、君が好きだから、と。

包み込みつつ攻めていく。

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