私を三国志遺跡に(自力で)連れてって!

 超人気アクションゲームで三国志にハマった著者さん、ついには大手旅行社の曹操墓参りツアーに応募するも人数が集まらず不催行! しかし、悲しみに暮れる著者さんへ、許昌に済む日本の人から案内するよとのメールが入る。中国のことをよく知らず、言葉もわからない著者さんの三国志遺跡巡りの旅、そのすべてはそこから始まった。

 このエッセイのなにが素敵かって、「好きなものを実際に見て、そこへ宿るなにかを感じたい」、その熱の高さです。聖地巡礼などと言いますが、そもそもなぜ聖地へ向かうのか? という門外の疑問に、著者さんはばしーっとアンサーを叩きつけてくださるのですね。

 そして内容のほう、もちろん三国志ネタいっぱいなのですが、遺跡へ向かう旅行に必要な知識も語られていますので、中国旅行記としても楽しめます。中でもガイドさんについてのお話は、あれこれ収まったら中国へ行ってみたいーという方のご参考になるはず。

 情熱ありネタあり人もありな一作ですよー!

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)