青春は恋と無謀さ

 自転車を理由に好きな子にあっさりデートを断られ、もやもやし、体力には自信があるし思い付きで彼女を追いかけ、あわよくばいいところを見せられるかもなんて――
 そんな考えで愛用の自転車で山に向かった主人公の、ちょっと無謀で、考えなしなところが微笑ましく、内心で愚痴をはき、汗だくになりながら山を登る姿はどこかさわやかさを感じられる。
 思わずクスっと笑ってしまうラストまで、青くさい春に満たされた気持ちのいい一作。