第22話 変質者に変態の汚点を被せられる。
【主人公視点】
「ダイダーさん、知ってたなら早く助けてくださいよお」
「申し訳ございません、運転が忙しかったもので……」
「え。あの踊ってたやつ? あれ運転に必要だったの?」
「えぇ。いや、自動運転モードもあったんですけどね、私はマニュアル運転派なもので」
「ごめん一発殴らせて」
義兄を殴るのは気が進まないが気が済まない。もしくは賠償金を請求する。いやどっちもだ、僕は差別も区別もしない男だ。
「そう言えばカツラも毛布も、大変似合ってらっしゃいますよ。まずはリボンをほどきましょう。その後、後部車両のお客様方を制圧して参りますのでしばしお待ち「うああああああ。……はっ! 兄さまから離れなさい変態っ!!」――ん?」
えっ? 自動扉の開閉音と共に聞こえてきたのはなんとリジュの声だった。
アルと助けに来てくれたの? あぁ、まさかこんな危険?な所まで……感動すると共に平均年齢四歳の幼児二人に助けに来られる僕ってもしかしてカコわるい?
いや、違うな。ウチの子たちが凄すぎるんだ。ょぅι゛っょぃ。
僕の為に危険を侵して助けに来てくれるなんて……感激アルよリジュ。勿論アルもアルよ。あのアルが協力プレイを覚えてくれたとか、すごい感動したアルよ。
瞬間、なんか電撃みたいなのがダイダーさんがいた場所を通過したのが見えた気がした。てか、いつの間にかダイダーさん逃げてた。
「なんと。ブラザーは変態だったのですか?」
違う、違うよブラザー。あの罵声はあなたに対してだ。周囲から見た自分の容貌を認めろ前科者よ。
◇◆◇
【リジュ視点】
先頭車両、ついに到着した。兄さまの捕まっているであろう場所はこの扉の向こうだ。
どうしよう、兄さまはロマンチストだ。誘拐された王子さまをヒロインが助け出す……こんな場面そうそうない。逆はたまにありそうだけど。
やはり劇的な再会を演出すべきだ。
シル婆と話してからなんだか私は変わった気がする。『演じていた私』と『演じていない私』、その境界線にあった壁が取り払われて新しい、ううん、自然な私になれた。そんな気がする。
そうだ、今ならきっと、兄さまに対して演技することもなく、本当の私を見てもらえる。それがそれこそが、きっと最高の感動を与える再会に――
「開けーごま」
「うあああああああ」
私は発狂した。銃を手にし、勝手に扉を開けたアルに向けて電撃を喰らわせようと思った瞬間、目に入ったのは今にも兄さまに襲い掛かろうとしている変質者の姿――
「はっ! 兄さまから離れなさい変態っ!!」
思考が乱れ興奮状態にあった私は変態に向けて発砲。瞬間、まずいと後悔した。兄さまに感電する恐れを考慮できずに側にいる変態に電撃を放ってしまったのだ。
だがそんな後悔なんぞ知らんとばかりに射線に居たはずの変態は右座席隙間に避けていた。ターゲットへの誘導性能もあるはずの電撃の影響さえ、全く見られない。
確かに冷静ではなかったが……電撃の影響範囲外まで避ける動作も過程も一切見えなかった。そう、クエスト出発当時のアルと同様に……。
「これはこれは。リッツ学院のリアンネージュ様ですね」
「……あなた何者?」
「私、ダツゼイダーと申します。あなた様のファンでグッズも――」
「そんなこと聞いてないっ!」
私は銃を構えながら思い出す。そうだ、メガネがアルよりも強いと話していた――
「あなたが踊っていた車掌ね。兄さまから離れて」
この変態の心が読めない。私が動揺しているから? いや、これは無心……。お姉さまがたまになる、凪のような感覚。
お姉さまと一緒の時はその感覚が安らぎを与えてくれるのだが……この変態の場合は理解不能過ぎて恐怖しかない。さっき兄さまに覆い被さっていた記憶の絵面がヤバすぎる。記憶共々はよどっかいけ。
「……承知いたしました。ただ私、あなたのお兄さまとは親しくさせていただいておりまして助けをば、と……」
両手を上げ、背中を向けた状態で運転席の方へ歩き出す。抵抗はしないようだ。だが油断はせず、今度は見失わないよう意識を集中させながら、横たわっている兄さまに語り掛ける。
「お兄ちゃん、助けに来たのです」
「おおお、リジュありがとう。でもその人一応、あくまで一応だけどホントに友達で助けてくれようとしてたんだ。ってアル、なんでアフロ? あ、似合ってるよ、かっこかわいい」
兄さまの思考を読み取る。なるほど、本当に友人で救助しようとしてくれていたようだ。あとは私たちへの親愛の情と、アルの頭のことで頭がいっぱい。
思考から読み取った情報では、変態なのは格好だけで、紳士的な印象、趣味はバレない脱税。これが変態紳士というやつなのですか。←ちょっと違う
「――失礼しましたダイダーさん、私の思い違いだったようです。すみません」
「リジュのいて」
「え? アル?」
この車両に入ってから一言も喋らなかったアルから出た言葉、それと同時に放たれた威圧。触れられてもいないのに私の身体は数歩、
そして最後の一歩を地につけた瞬間。それが兄さま救出クエストの、最初で最後の戦闘開始の合図だった。
!!!!!
というところで、申し訳ありません!
続きもちょっとあるんですが
幼児によるなんか怖い描写が入りそうというか、コメディタッチのみの戦闘シーンが描きにくくなって止まっちゃいましたーーーゴメンナサイ·°(৹˃ᗝ˂৹)°·
いや、カッコいいんだよ?
でもさ、怖いシーンはさ、情操教育上良くないじゃん?
本出版とかアニメ化だってきっと余裕なんだけどね?ね?
もっとね?可愛く描きたいの。
読んでくれた人、ごめんね?
ボク(よたた)の優しさ、分かってあげて?ね?
いやホントにすんません!!
うまく描けるようになれれば描きますから!絶対!
基本子供と変態さんのお話だから!
ょぅι゛っょぃ ~リッツ院の子どもたち〜 よたよたた @audoc
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ょぅι゛っょぃ ~リッツ院の子どもたち〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます