エピローグ
昭和四十三年(一九六八)、昌子が『久女文集』を自費出版いたしました。
翌四十四年、角川書店から『杉田久女句集』が刊行されました。昌子の希望により、昭和二十七年の初版に補遺を加え、虚子の序文は省いたものでございます。
昭和六十二年(一九八七)、田辺聖子著『花衣ぬぐやまつわる…… わが愛の杉田久女』上下巻が集英社から刊行されました。
平成十五年(二〇〇三年)、坂本宮尾著『杉田久女』が富士見書房から刊行されました(同書は二〇〇八年『杉田久女――美と格調の俳人』として角川書店から、さらに二〇一六年『真実の久女 悲劇の天才俳人 1890-1946』として藤原書店から刊行されております)。
渾身のご著作を世に送り出してくださいました両先生をはじめ、わたくしの名誉復活を図って奔走してくださいましたみなさまに、心から深く感謝申し上げます。
*
長い長い繰り言に辛抱強くおつきあいくださいましたあなたさまと、あなたさまのペンを通してわたくしに関心をお寄せくださいましたみなさま、本当にありがとうございます。最後に冒頭の言を繰り返して、拙話の締めとさせていただきます。
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苦労をかけた昌子が、のちに大勢の聴衆の面前で、
――母の久女は、気持ちに卑しいところがまったくない人でした。
晴れやかに語ってくれましたことは、わたくしの大きな誇りでございます。わたくしの宝物は俳句にあらず、断然、ふたりの娘たちでございますから。 【完】
2020年10月24日
[参考文献]
杉田久女『杉田久女随筆集』(二〇〇三年 講談社文芸文庫)
田辺聖子『花衣ぬぐやまつわる…わが愛の杉田久女』(一九九〇年 集英社文庫)
坂本宮尾『真実の久女 悲劇の天才俳人 1890-1946』(二〇一六年 藤原書店)
ほかにインターネットを参考にしました。
杉田久女――紫陽花に秋冷ゐたる信濃かな 🌼 上月くるを @kurutan
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