短い中でキャラの立った二人のやりとりが、いくつもバックグラウンドを想像させてくれて短いながらも、長い物語の一幕を読んだような満足感がありました。冷蔵庫の中に、霊螺だけが見える生首の『ゆーこ』がいる、という怪異から始まり、歪んだ関係性と人間のエゴの真相に繋がっていく。それと距離を取った冷ややかな霊螺の視点もゾクリとするものがあって見事な一言。雪深と霊螺の関わる怪異などを他にも見てみたい、そんな短編でした。
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