絆深き、父と息子の往復書簡

ジム・アボットという実在の人物をシンボルとして、息子の成長と活躍を願う父の想いがひしひと伝わってきます。
それに対する息子の言葉も、前向きに努力する様が想像できて、いい読後感を味わいました。

タイトルにある「アボット」は息子を意味し、「槍」はやり投げを意味しているのでしょう。そして、「アボットの槍」とはパラリンピックの舞台へ向かって努力する息子の姿を暗示している。素敵なネーミングです。

また、父から息子へ贈る言葉と、それに対する息子の返答をメール形式で書くという構成も面白いですね。現代ならではの構成に感じます。

応援したくなるとともに、読み手に希望を与えてくれる、そんな作品に仕上がっていると思います。ガンバレ!

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