ミソラとウォルフガン、二人のプロフィールは謎が多く、ストーリーも不思議さを含みつつ展開していきます。その文章に書かれない余白に、想像力を掻き立てられます。
この作品の要となるのは「人間讃歌」というテーマだと感じました。
荒廃した世界の中で、二人が信じた人間という種族は、長い時を経て各々の未来を獲得した。その生命力は強く、尊いものなのでしょう。
いくつもの過ちを犯しつつも、それでも明るい未来を信じて種を継承し続ける人間。そんな彼らを信じてくれたミソラとウォルフガンは、さながら慈悲深き神のようです。