何気ない日常に神は潜んでいる

「ほとんどが私の話です」と作者さんは仰っているが、天才になれなくても神は日常の中に潜んでいると私は勝手に思っている。
「神は細部に宿る」という言葉がある。あれは職人が極めた芸術作品をよく見ると、所々に思わず感心させられる箇所があるから言われる言葉であり、それと同じように、人は最初から何でもできる天才ではないのだ。
私も小さい頃は漫画家になりたくて絵をいっぱい描いた。でも観察眼が足りなかった。声優にもなりたかった。でもオーバーリアクションしたり、他人の感情を想像するのが苦手だった。
こうして私はいつだって夢から逃げてきた。だが最近は二次創作で数年文章力を鍛えたせいか、「文章が綺麗だ」と言われることがある。
それと同じように、天才でなくても神は日常のあらゆる場所に潜んでいる。
この作品だって、作者自身の経験があるおかげで主人公の感情がこれでもかというほど生きている。
芸術作品は日常や作者の人生を積み重ねた結晶だと私は思うのだが、たまにはどうだろうか。スマホを捨てて、街へ出てみよう。……と、有名な名言をパクってみる。
人間一人一人に人生があるのだ。それらを積み重ねて出来上がるのが小説だ。私はこの物語の続きを読んでみたい。