背中合わせに握られた手が、いつか繋がることはあるのかな?
初めてなんてもうずっと昔で、思春期を過ごしているあたしにとっては刻み込まれている記憶だけれどそこから今までも経験値が驚くべきほどあって、あった一年でもそのレベルはもう1000Lvを超えているかもしれない。
減点なんてなかったし、ただ想いは温まって大きくなっていくばかりであたしの夜を逃がしてくれない。ちょっとだけ隙間を見つけて逃げ出そうとしても、その向こうに「好き」って想いの刑務官が待っているから、結局あたしは袋の鼠。大好きの袋小路から逃げられない。
やっと近づけたのかな?っていう放課後に追い越しちゃった感じもした。あなたが伝えてくれたあなたのその時の心は、けれど秘密にしなくちゃいけなくて、だからハグじゃなかった。抱きしめ合う前に一歩すれ違ってたから見えたのだろうあなたの心の中心。それはものすごく大切で奇跡みたいなことだったけど、結局あたしはその日から、いつかあなたを真正面から抱きしめることをすごく夢を見て、夜眠ることにするけど、結局想像するのは正反対の方向だけ見つめる瞳を備える姿勢で空を見上げて、半歩下がったら後ろ手に組んだ手をようやく繋げるような距離。
背中合わせに憂鬱と幸福と後悔と大好きが入り混じって綯い交ぜ。そんなエッセンスで、真冬のマフラーみたいにあなたに何か編むことができるのかな?って思ってみるけど結局そんな糸紬ぎは空転してからからから。まるで空虚な音しか立てないから少しだけ、ちょっぴりさみしい。
そんな時に思わず触っちゃう携帯の、もっと言えばiPhoneの連絡帳にあなたの名前はない。嘘っぱちなのかなって思う、その時の手繋ぎ。想い紬。ただ都合が良かっただけ?
あたしにとって今って季節は今しかない。それはもちろんあなたもそうなのだろう。けど、あたしのあなたのよりちょっとだけ賞味期限が短い。消費期限じゃ、ないんだけど。
って、求めるだけでもだめじゃんって思って寄り添うことを考えてみる。
悲しい実験。
仮にぬいぐるみをあなたと思って、横並びになって、肩にこてんと頭を置いてみる。
うん。いい。けどちょっと虚しい。次。
そのぬいぐるみを後ろからギュッ、てしてみる。
よし。悪くないけどやっぱり。って思って真正面に向き直ってみる。
む。全然似てないのにあなたの顔を想像して緊張したあたしは一旦閉じておいて、そのまま抱きしめた。
けれど次の気持ちが出てきた。
そ、それはちょっと…
思いとどまって、考える。実験は成功だけど、やっぱり悲しいし、追加された寂しいが、ちょっとだけ息を締めてくる。
思えばいろいろある。ピアノとか、ベースとか、サックスとか、ドラムとか、ギターとか、鍵盤とか、ろんな音色がぐちゃぐちゃなようで整列して行進してくるそんな音色がものすごく楽しそうに踊っているみたいな想いの移り変わり。虹の中を泳ぐみたいな果てしない極彩色の夢がー。
あ、でもやっぱりこれって夢なのかな。現の、それとは遠うのかな。
そんなことを、夜に考え始めたのがだめだった。
明日を待つだけの夜じゃない。
明日を作るための夜でもあるはずなんだ。
だから考えてしまう。
あなたのいたことのない自分の部屋のベッドで、毛布にくるまって、泣くわけじゃないけどニヤついてもいない。
あの時一歩すれ違って見えたあなたの心の中心を、ギュって抱きしめられていたら、もしかしたら背中合わせの二人とも回れ右してた?
その先に、あなたの背中に腕を回して包めてた?
けど、やっぱりいみつだからできなかった?
答え合わせしてよ。って思ってもそんなことは秘密によってかなわない。
毛布の中で自分の左手をあなたの手だと思って自分の右手の指を絡める。そんなことして虚しくなるのはわかってる。こんな季節があたしにくるなんて思ってもいなかったけど、あなたがくれた「またね」はそんな力があるんだよ。
けど、だから疑問に思う。あたしはきっとあなたを思っていることで逃げているんだと思う。そんな自分に酔っているのかもしれないし。逃避行、したいけど、あなたは、この秘密を持ったまま逃げてくれるかな?
自分のこの想いが思い込みだけだったらいいって何度思ったかな。
さみしい時。
自分の手を”握って"くれた背中合わせの時間が、嘘だったらってどれだけ思ったかな。
"繋いで"はくれないのに。
あなたの頰に指を伸ばしたら、触れさせてくれますか?
あなたの中心に気後れして、抱きしめられなかったあたしに、そんなことはないか。
この星は普通に季節を紡ぐから、余計にあたしに不意に訪れた特別な季節とのギャップで切なくなる。ぉれからの未来この季節がどれだけあたしにとって大切になるのか、あなたは背を向けたままで想像できるの?
けれどそんな毛布の中の秘密は秘密のままなんだろう。
過ぎていく時間が朝日を連れてくれば、そんな毎日が積み重なって季節も変わっていく。誰かにとってはどうでもいい話でも、あたしにとってはとっても大切な物語。
あたしは、そんな朝に「はれたらいいね」ってごまかすしかないくらい行き場なのない想いだけぶら下げてる。
だからきっと、そんなふうに思ってしまうなら、抱きしめておけば良かったのに。
できなかったから、きっと御伽噺で終わるのかもしれない。
その先は知らないから、きっと夢物語なのだけど、現はそれを許さない。
だから、夜の隅っこに放り投げる失敗した原稿用紙に書く妄想。
あたしができるあなたとのキスは、最初?最後?
あなたと次に交わす言葉は、約束?お別れ?
あなたが抱きしめてくれたら、あたしも抱き返してもいいの?
あたしがこんなことを考えている時にあなたは何しているのかな、って思うけど、問いかける術も持たないから、真夜中のど真ん中で、嫌な落ち込み方してる。
だから考えてしまうんだろう。
あなたとの未来の最後にあたしが思う、いらない四文字は
"だいすき。"
“さよなら。"
さぁ。どっちかな?
#さっきの女の子、
#さっきの女の子
#さき女
#を秘密にしないで
#レビューめいたインスピレーション掌編
#正直キャラわからん
#可愛いけど未来なくない?
#いい加減にしろ
#yourpulseletter
#yourpulseletter:想軌戀連 唯月希 @yuduki_starcage000
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。#yourpulseletter:想軌戀連の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます