時々、文章を『美しい』と思うことがあります。
『美しい』というのは、普通は視覚と聴覚に関して使う言葉だと思うのですが、この作品は本当に美しい。
傑作だとか、素晴らしいとか、他の言葉を当てはめてもいいのかもしれませんが、僕は敢えて『美しい』という形容詞を贈りたいです。
余計な情報を見事に削ぎ落し、主人公の感情と境遇にフォーカスし切った文体は、拝読していてそれだけでも美しいのですが、驚くべきはこの構成の巧みさです。
ストーリーのみならず、『全体の流れ』が綺麗なUターンを描いていることに気づかされた衝撃、感動たるや、実に胸を打つものがありました。
短編ながら、本当に『美しい』体験をさせていただきました。
カクヨムの性質上、僕からはこんな稚拙なレビューとお星様しかお贈りできませんが、この作品が目に入った読者予備軍の方々、そして作者様に、僕の得た感動が少しでも伝われば幸いです。