輝かしい舞台に立つ人間、その足もとの陰に魅力

徐々に注目を集めつつあるeスポーツを題材にしながらも、本作で描かれているのは決して華やかな世界ではありません。
ゲームの世界でもゲームとは関係のない世界でも思い通りにならないことがあり、その現実に主人公の心は傷付きます。

遠くからは輝いて見えるeスポーツの世界。
しかしそれは私たちの住む世界と地続きの場所で、そこに立っているのも人間であることに違いはなく、だから苦しみや悲しみもそこには存在しているんですね。
そんな陰の部分に触れるところにこの作品の深い魅力があります。

暗い物語に沈むばかりではなく、明るく前向きな部分も持っているので、その点はご安心を。
苦さと甘さのバランスを是非とも味わってほしい作品です。