人と色との関わりを西洋絵画から読み解く

人は「色」に対して様々なイメージを持っていますが、それはいったいどこから生まれるのか、その「色」にはどんな意味があったのか。この一見分かっていそうで意外と知らないテーマを、西洋絵画に焦点を当てて解説してくれる作品です。
色というのを今まで感覚的にしか捉えていませんでしたが、歴史や宗教との繋がり、心理、色彩科学へと進んでいくごとに「なるほど」と思わされることが多く、人間と色との関係が奥行きを増していきました。最後にいたってはもう哲学の域で、当たり前に見える景色が人間に与えられた特別な景色なのだと感じました。
入りやすい入口からいつの間にか深みへと連れて行ってもらえるような、好奇心をくすぐる読み応えのあるエッセイです。どうか気軽に手に取ってみてください。

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