オリジナルあやかし異聞!
- ★★★ Excellent!!!
私は、諸事情により、本作の読了に時間が掛かってしまいました。
先ず、連載が始まったのは昨年令和二年九月、完結は十一月と、毎日の真面目でこまめな更新で達し得た十四万文字もの大作です。
サブタイトルをご覧いただければお分かりになると思いますが、にしんの一から四、かくげんの一から四と言う風に、章立てをしないでさり気なく一話のものもあわせて十四に区切っております。
次に、主人公の若蔵竜弥くんが地方の駐在所で警察関係者からのパワハラを受けることもありながら、何とあやかしとは既知の仲だとも言うのです。
本作で登場する主だった脇役ですが、守塚彩芽さんがとても魅惑的です。
竜弥くんの親切心を世の中がそれ程性善説に満ち溢れてはいないと言う趣旨を伝えるのですが、彼はあたたかい人柄ですので、中々上手く行かないこともありました。
そして、竜弥くん自身ですが、本来は、制服を着てお仕事をする警察官です。
しかし、一方であやかしとニンゲンのバイプレーヤーを果たします。
あやかし駐在さんとお呼びしてよろしいのでしょうか。
本作で、一大事が起きました。
或る方が、どうにかなってしまったようです。
その方を巡って、方々であやかしと出会い、また、彩芽さんや馳大くんに助けられつつも二人の不思議にも触れて来ました。
綿密に練り込まれた構成にうなされます。
作者様の描くキャラクターはいつも瑞々しいのですが、本作では、ストーリーを補完する為に役割を持って動いていると言う感じがいい意味でいたしました。
キャラクター文芸的作品だと思いますので、そのジャンルのコンテストへ参加な
されては如何でしょうかと言うのは、個人の見解です。
社会派の要素も含まれております。
仕掛けられたバロメーターで、私の心は上がったり下がったりと折れ線グラフになりながら、ドキドキしながら拝読することになるでしょう。
今後、別作品の未来篇、タイトルは異なると思いますが、それを拝読できますならば、竜弥くんと彩芽さんに馳大くんのその後も知りたいですね。
もし、過去篇でしたら、出逢いを知りたいと思います。
個人的には、彩芽さんに興味がありますので、掘り下げて欲しいと思いました。
あやかしや人間模様に機敏な話をお好みの方にお勧めです。
それから、広島の方言大好きな方には、これは垂涎です。
是非、ご一読ください。